広島のリーグ4連覇が絶望的となった。広島は2019年7月7日、甲子園で阪神と対戦し0-1の完封負けを喫した。先発・床田寛樹投手(24)が7回5安打1失点の好投を見せたが、打線が阪神先発・髙橋遥人投手(23)の前に散発4安打。チームは今季4度目の完封負けで交流戦後、1分けをはさんで8連敗となった。広島の8連敗は2014年以来5年ぶり。借金は「2」となり、ついにBクラスとなる4位に転落した。
「理想のオーダー」なのに4安打完封負け
緒方孝市監督(50)が「理想のオーダー」とする打線は、最後まで沈黙を続けた。1番には7試合ぶりに野間峻祥外野手(26)を起用し、4試合ぶりに菊池涼介内野手(29)を2番、西川龍馬内野手(24)を3番に戻した。「理想のオーダー」は機能せず、野間は4打数無安打。3回の無死1塁の場面では、遊ゴロ併殺打に打ち取られ、リードオフマンとして最悪な結果となった。
交流戦後、9試合で6人が代わる代わる1番に入り、いまだ固定しきれない。好機に打てない主砲・鈴木誠也外野手(24)。そして打率1割台でも試合に出場し続ける田中広輔内野手(30)。打線のテコ入れをしつつも、不調でも起用し続ける打者もいる。限られた選手の中での指揮官の苦しい采配なのだろうが、「触らない」起用法に鯉党の不満は膨れ上がる一方だ。
ここまで不振の打線をカバーしてきた投手陣だが、その台所事情が苦しくなってきた。中継ぎ陣を支えてきた中村恭平投手(30)が左肘を痛めて7月3日に出場選手登録を抹消。同じく中継ぎの柱としてマウンドを任されていた一岡竜司投手(28)がコンディション不良のため7月7日に登録抹消。守護神の座をはく奪されて2軍降格となった中崎翔太投手(26)は、2軍での調整が続き1軍昇格の見込みがたっていない。
データ的には優勝の可能性はほぼ消滅…
過去のデータをみると、広島の逆転優勝は限りなく厳しい。開幕から5カード連続の負け越し、そして交流戦最下位のチームが、優勝したことはない。球団としても、首位と8ゲーム差を付けられてからの逆転優勝は、これまでの歴史の中ではなく、1991年に7.5ゲーム差をひっくり返して優勝したのが最大ゲーム差だ。もはやリーグ4連覇よりも、Aクラス死守が今後の焦点となってくるかもしれない。
開幕当初はリーグ3連覇のチーム力を疑わなかった鯉党だったが、交流戦以降のチームの戦いぶり、指揮官の采配に批判が止まらない。今シーズン、いくどもメディアの見出しとなってきた「優勝確率0%」が、日に日に現実味を帯びてくる状況に、ネット上では監督、コーチ陣の「一掃」を叫ぶ声も見られる。
広島は残り62試合。7月8日からはオールスターゲーム前の中日との3連戦が控える。交流戦後、白星がなく長く暗いトンネルが続く広島。借金返済、Bクラスからの脱出で再び上位に。すべては指揮官の手腕にかかっているが、鯉党の心はもはや離れてしまっているかもしれない。
(※引用元 J-CAST)