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主力不在も、なぜ首位快走?大野豊氏「連覇の自信が投打へ好影響」

2018年5月27日

主力不在も、なぜ首位快走?大野豊氏「連覇の自信が投打へ好影響」

交流戦を前に、ダンゴ状態のセ・リーグから頭一つ抜け出そうかという状態の広島(24日終了時点で2位巨人と4.5差)。ここまで、鈴木誠也や丸佳浩、野村祐輔といった主力選手を欠く場面がありながらも、この位置をキープできている秘密はどこにあるのか。そして3連覇の可能性は。カープOBの評論家・大野豊氏に聞いた。

好調の要因は投打のバランス

今季のカープは、3連覇を目指しているんですが、前田健太(現ドジャース)が抜けた一昨年、黒田博樹が抜けた昨年と連覇した自信と、その中で役割分担がしっかりして、投打にバランスが取れたチームになったことが、今季も好調を維持できている一番の要因だと思いますね。ゲームへの入り方にしても、戦い方にしても、この2年間の自信が、選手にいい影響をもたらしていると思います。

序盤戦は全員が万全ではない形でのスタートとなりましたが、若手の台頭とか、今までベンチにいた選手のレベルアップを目指してきた成果が出ている気がします。

今年は、例えば投手陣にしても、去年成績の良かった人が全員いいかと言えばそうでもない。薮田和樹の調子が悪かったり、野村祐輔が故障でファームに行ったりしている中で、中村祐太が出てきたりして、うまくしのいでいる。リリーフも万全とは言えませんが、ほかのチームに比べると、ミスが少ない。

打線にしても、鈴木誠也が欠けたり、丸が欠けたりしても、野間峻祥や下水流昂ら、代わりに出た人が頑張っているというのが、強さだと思いますね。故障者や、ミスが出たときも、皆でカバーして戦っていくというのが、他チームよりもうまくできていると思います。逆転勝ちも多いし、精神的なタフさもありますね。

大瀬良、岡田は投手人生の上でも大事なシーズン

投手陣を見ていくと、大瀬良大地、岡田明丈、中村祐太の3人の頑張りが大きいですね。大瀬良は、これまでいいボールを持ちながら、力むとバラつきが出るところがありましたが、今年は左足を少し揺さぶって上げるように変えて投げ急ぎを抑え、左手をより上げるようにして、うまく壁を作るようにしたことで、いい感覚で投げられていると思います。このバランスを維持していければ、今後も計算できるのではないでしょうか。課題はこの先、夏場をどう乗り切るかですね。

岡田は、ゆったりしたフォームから投げるピッチャーなので、トップがしっかり取れるかどうかがポイントです。去年は終盤に少し崩れてしまいましたが、今年はまたいい形に戻っているかなと思います。彼はやはりストレートが魅力ですから、これが良ければ変化球も生きる。去年の経験で、一年間投げるスタミナをつけることに取り組んでいると思いますから、これも夏場をしっかり投げ切れれば、去年以上に勝てると思います。大瀬良、岡田の2人にとっては、今年一年間投げ切れるかどうか、投手人生の上でも、大事な年になると思います。

中村祐は孝行息子ですよね。先発したときはしっかりゲームを作って、勝っています。先発の頭数が苦しいところで出てきてくれていますので、彼の頑張りは大きいと思いますね。若いけれど、マウンドで落ち着いて投げているのがいいんでしょうね。びっくりするようなスピードはないけれど、コントロールは去年よりも良くなった感じがします。

リリーフ陣は、打たれることもありますが、そう悪くはない。特にアドゥワ誠がいいですね。微妙に動くボールでうまく打ち取っています。ボールに角度がついて良くなりましたね。立派なものです。

打線に浸透するつなぐ意識

攻撃陣を見ると、カープの代名詞「タナキクマル」が固定され、4番に関しては(鈴木)誠也がいなくても、松山竜平やエルドレッドでカバーして、つなぐ形ができています。相手のスキを突いて一気に打線がつながって点を取るケースが目立ちますね。丸がいないときは、「タナキクバティ」でしたが、このバティスタが打っているのが大きいですね。ここに新井貴浩が帰ってきて、チームのムードを上げてくれればさらにいい、というところです。

誠也がいないときも、野間が出たりして、期待に応えてくれたし、安部友裕のように調子が出ない人がいても、皆のつなぐ意識でカバーしています。飛び抜けて打率の高い選手はいませんが、つなぐ意識の高さで点は取れる、そういうチームになってきている気はします。

つなぐ意識が、「タナキクマル」だけではなく、下位打線にも広がってきた感じが見て取れます。おととしあたりからそうですが、打球方向も逆方向が多いですからね。このあたりにも、「自分たちはこうやれば大丈夫なんだ」という2連覇の自信が出ているような気がしますね。また、会澤翼が高打率を残しているので、下位打線からの攻撃でも点が取れる、いい流れになっています。

3連覇へ、課題は捕手

このあと、交流戦に入っていきますが、まずはここまでの貯金を維持しつつ、一つでもそれを増やしていってほしいですね。日程を見ると、いきなり埼玉西武との対戦ですから、そこでいいスタートを切れるかどうかがカギになると思います。ピッチャーが怖がらずに投げていくことができるかどうかでしょうね。

DHについては、新井、松山、バティスタと候補者が多くいるので、なんら問題ないと思います。また、丸が交流戦あたりから復帰予定だと思いますが、仮に100%の状態でない場合でも、DHに使う、という手もありますよね。まあもちろん、守れる状態で戻ってきてくれれば一番いいわけですが。

この後は、これ以上故障者を出さないこと、今ちょっと調子の出ていない選手に本来の調子を取り戻してもらうことが大事になってきますが、今は2位以下のチームが決め手を欠き、つぶし合いをしてくれていますから、カープにとっては3連覇を達成する大きなチャンス、という状況になっていると思います。相手どうこうでなく、自分たちが崩れなければ、というところでしょう。そうすれば、3連覇の可能性は十分あると思います。

まあ、強いて課題を挙げるとすれば、盗塁阻止率が低いことでしょうか。この辺が堤を崩す蟻の穴になっていかないよう、バッテリーで対策を練っていくことも必要かと思います。(構成=藤本泰祐)

(※引用元 週刊ベースボール

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