3位を死守しているが、4位・阪神にも迫られクライマックスシリーズ(CS)進出に危険信号がともっている広島。セ・リーグ4連覇どころか、Bクラス転落の危険性も出てきた。チーム内では、緒方孝市監督(50)の責任論が出てきているという。
「開幕当初負けが込んでも、松田元オーナーは今季就任5年目を迎えた緒方監督をこう言ってフォローしていました。『5年と言わずもっと苦労してもらいたい』と。“緒方続投”の潮目が変わったのが7月下旬です。
試合中に全力疾走を怠った野間俊祥を数回平手打ちし、球団から『厳重注意』の処分が下されたんです。野間は緒方監督がスカウトの反対を押し切ってまで獲った、思い入れの強い選手。巨人にFA移籍した丸佳浩の穴を埋める存在になってほしいと期待していたのが、伸び悩んでいたためイライラが爆発したのでしょう。
ただ暴力はいけません。若いファンが離れ、スポンサー企業への影響が出ないとも限らない。実際ベンチでは問題発覚以降、選手と監督の間に距離ができ采配が空回り。フロントも、成績低迷の一因は緒方監督にあると考えているようです」(スポーツ紙記者)
このまま優勝を逃すとなれば、緒方監督退任もありうる。次期監督候補に急浮上しているのが、意外な人物の名前だ。
「松田オーナーは、お気に入りの佐々岡(真司)投手コーチを推しています。ただ開幕直後から、勝ち越した場面で中継ぎエースのフランスアではなくルーキーの島内颯太郎を投入し逆転負けを喫するなど起用がチグハグ。投手陣の信頼は薄い。選手からの人望が厚いのは黒田博樹氏や新井貴浩氏ですが、引退したばかりでコーチ経験がなく指導者として不安が残ります。そこで名前があがっているのが、広島で監督経験のある野村謙二郎氏(52)です。野村氏はロイヤルズやレッドソックスでも臨時コーチの経験があり、指導力はメジャーでも認められています。本人も監督復帰について、『機会があればぜひ』と前向きです」(同前)
広島の3連覇も、緒方監督でなく野村氏の功績によるところが大きいという。
「3連覇の原動力となった鈴木誠也や丸、菊池涼介らを、まだ結果を出せていない若手時代に使い続け鍛えたのが野村氏です。選手一人ひとりに話しかけアドバイスし、時には食事をしながら悩みを聞いていました。野村氏は戦力の整っていない’00年代~’10年代の広島を指揮し、優勝を狙えるまでに育て上げた。今オフ以降、メジャーに挑戦すると言われる菊池やFA権獲得の正捕手・会澤翼など、主力の大量流出が懸念されます。手薄な戦力で戦えるのは、野村氏しかいないというのがチーム内の多くの意見なんです」(球団関係者)
広島OBで野村氏と現役時代をともにした小早川毅彦氏が話す。
「誠也や菊池、松山竜平など広島で活躍している選手の力量を見れば、野村さんの手腕はおのずとわかるでしょう。カープの歴代監督はみな厳しいですが、野村さんも指導者として周囲に迎合することがなく手を抜かない。やや停滞ムードのただよう広島にムチを入れ、必ず再生してくれると思います」
現役時代から広島一筋の野村氏。カープを知り尽くした男が、再び鯉を上昇気流に乗せる。
(※引用元 FRIDAYデジタル)