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3連覇の代償が…ブレイク組のプラス分をはき出した主力の『不調』

2019年12月20日

3連覇の代償が…ブレイク組のプラス分をはき出した主力の『不調』

収穫と誤算

今季の広島はリーグ4連覇を逃しただけでなく、クライマックス・シリーズすら出場できない4位に終わった。開幕直後に出遅れ、5月は球団記録となる月間20勝を積み重ねるも、ジェットコースターのような浮き沈みの激しさはシーズン最後まで続き、安定した戦いができなかった。

原因は、チームを支える主力選手にあった。新井貴浩が現役引退、エルドレッドが退団、丸佳浩が巨人へFA移籍と、3連覇を支えた3つの柱が抜けた。さらにシーズンに入ると、松山竜平や田中広輔、中崎翔太ら主力が不振や不調にあえいだ。

代わって西川龍馬やバティスタらが台頭したものの、彼らがスタメンに押し上げられることで代打を含めた控えの戦力がダウン。試合終盤に反撃態勢ができても、逆転するどころか追いつくこともできないまま終わる試合もあった。逆転勝利は昨季の41試合から26試合に激減。開幕前から言われた2年連続MVP”丸の穴”は、ただの3番打者という面だけでなく、チーム全体の戦力に大きな影響を及ぼすことになった。

また、3連覇に貢献してきた選手たちの疲弊も見られた。田中広や中崎はともに秋に手術を決断。中継ぎ陣は中崎だけでなく、一岡竜司や今村猛など優勝メンバーが揃って精彩を欠いたのは誤算だった。ただ同時に、これまでの貢献度を考えると、ある程度、想定しなければいけなかった問題でもあったかもしれない。そういった意味では、チーム内の新陳代謝が遅れたという見方もできなくもない。結果的に勝ちパターンを確立できず、逆転負けも26試合から32試合に増えてしまった。

3連覇から4年ぶりBクラスとなり、広島は過渡期を迎えている。主力が抜け、新しい芽が出てきたことは明るい材料である。先述した選手だけではない。遠藤淳志や山口翔は高卒2年目、スタメン53試合を含む58試合に出場した小園海斗は高卒1年目。まだ19歳と若い。ほかにも坂倉将吾、床田寛樹がさらなる成長を期待されている。監督が代わり、中堅選手も目の色を変えている。

11月2日からの秋季キャンプは他球団が中堅クラスも多く帯同させている中、広島は大胆に若手主体のメンバー構成に舵を取り、戦力の底上げを優先した。今オフ、ポスティングでのメジャー移籍を表明した菊池涼介を除けば、FA取得選手はみな残留。佐々岡真司新監督は緒方孝市前監督のチームをベースに、どんな色をつけていくのか――。新指揮官の手腕が注目される。

2019年を象徴する試合

8月12日/広島7ー8巨人/マツダスタジアム
巨|402 001 010|8
広|102 201 011|7
[勝]大竹(3-0-0)
[敗]アドゥワ(3-5-0)
[S]デラロサ(1-0-2)
[本]巨:ゲレーロ(15) 広:菊池涼(10)

まだ優勝の可能性を残していた8月12日、首位巨人戦との3連戦初戦を迎えた。ゲーム差は3.5。3連勝で一気に肉薄できる。最低でも勝ち越して差を縮めたかった。

すでに2ケタ勝利を挙げていた巨人先発の山口俊に対し、広島は若いアドゥワ誠を先発に立てるも、初回に4失点。3回には3ランも被弾した。それでも打線は1番に固定された西川が3安打でチャンスメークすると、4番・鈴木誠也ら中軸がポイントゲッターとなり、最大5点もあった点差は中盤までに1点まで迫った。ただ、4回無死二塁から代打坂倉将吾、5回2死満塁から代打・安部友裕がいずれも凡退。追いつき、追い抜く好機を逃した。終わってみれば14残塁。丸や新井が抜けたことによる選手層の低下が得点力に影響した。

また、中継ぎ陣も踏ん張れない。一岡、今村が揃って失点。「逆転の広島」を陰で支えていた中継ぎ陣に疲労の色が見えた今季を象徴するようだった。結局1点差で敗れ、同カード負け越し。首位巨人との差を4・5ゲームに広げられた。

来季キーマン

田中広輔

来季の広島のキーマンは、3連覇に貢献しながら、今季は大不振に陥った田中広だろう。小窪哲也、會澤翼から選手会長のバトンも引き継いだ。選手として巻き返しが期待されるとともに、どちらかといえば自分のプレーに黙々と取り組むタイプの彼がどのようなリーダーシップを発揮するのか注目される。

万全な状態となれば、守備力、経験値からすると、遊撃の一番手となるのは間違いないだろう。8月28日には右ヒザ半月板部分切除手術を受け、リハビリはすでに最終段階。来春のキャンプ初日から全力疾走の背番号2が見られるに違いない。「1番遊撃」の定位置には「やりがいも僕が一番分かっていると思う。若い選手と切磋琢磨していきたい」と決意を新たに、来年はチームの先頭、打線の先頭に立って牽引役となる。(前原惇)

(※引用元 THE DIGEST

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