新型コロナウイルス禍の影響で、3月20日のプロ野球開幕の延期が決まった。こればっかりは終息を待つしかない。開幕から逆算して周到な準備をしている選手も大変である。“見えない解禁日”はなお厄介だが、この男に不安はない!?
広島のドラ1ルーキー、森下暢仁投手、22歳である。
無観客のオープン戦、8日の西武戦で先発して5回散発3安打、8奪三振のビッグピッチ。佐々岡監督は「当然、ローテに入ってやってくれると思っている」と太鼓判を押した。
“生見”したことがある。2月上旬、宮崎・日南キャンプを訪れた。エース大瀬良、ジョンソンとともに投げていたブルペン。広島OBでもある“レジェンド”江夏豊さんが驚愕していた。
「森下君のカーブは特殊なカーブ。速球、カット、チェンジアップと変化球もいい。ボールを見る限り十分即戦力。先発ローテに入るだろうし、1年間ローテを守れば、おのずと2ケタ勝利。新人王も有望だろう」
“特殊なカーブ”に関して、侍ジャパンのテクニカルディレクターである鹿取義隆さんがこう解説してくれた。
「投げた瞬間にフワッと浮き上がって打者の視線を上げるような、よくあるカーブとは違う。球速があり、スピンが効いて打者の手元で落ちるイメージ。現役なら楽天の岸、昔なら江川(卓)さんが投げていた。武器になりますよ」
さらに、2年前まで巨人ヘッドコーチを務めていた村田真一さんは「ボールもいいけど、フィールディングがいい。野球センスを感じる。僕らの時代の桑田真澄(元巨人など)みたいなね」と。絶賛の嵐でした。
背番号18はメジャー移籍した前田健太以来、5年ぶりの復活。端正な顔立ちの大学ナンバー1右腕に対する期待度の表れだが、現実にその片鱗を見せた。本物である。感染症問題で見えない日々が続くが、本番が待ち遠しいです。(清水満)
(※引用元 夕刊フジ)