カープに鯉

広島カープへの想いを届ける記事を掲載♪「カープ関連」のLINEスタンプも紹介してますヾ(*≧∀≦)ノ゙

河田のヘッドコーチ就任で、カープは間違いなく変わるはず/川口和久

2021年1月15日

河田のヘッドコーチ就任で、カープは間違いなく変わるはず/川口和久

言うべきことを言える男

実は恒例行事みたいになっているが、今年も年明けに河田雄祐とゴルフをした。あいつは帝京高から1986年にカープに入団した外野手で、現役最後は西武だった。引退後も西武でコーチをしてから、2016、17年と2年間、カープでコーチをした。カープでの走塁面への貢献は今さら俺が言うこともないだろう。3連覇のベースをつくった貢献者の1人と言っていいと思う。

18年からはヤクルトの外野守備コーチをしていたが、今年から広島にヘッドコーチとして戻ることになった。俺にとっては弟分というのかな。カープでの現役時代から気が合って、今も付き合いが続いている。今回はその復帰祝いも兼ねてのゴルフだった。もちろん、ソーシャルディスタンスは、しっかり守ったよ。あいつの門出に迷惑掛けたくないしね。でも、ヤクルトなのか広島なのか知らんが、何度も電話が入っていたな。

オフではあるけど、もう勝負が始まっているんだろうね。ラウンドの最初、彼は盛んに右肩を回し、「俺、今年はなんか肩が凝っているんですよね」と言った。スコアが悪いときの言い訳かと思って、「なんで?」と聞いたら、「去年、あまり回せなかったんで」と笑っていた。要はヤクルトで三塁コーチとして「肩を回せなかった」という自虐的なジョークだ。

弱かったからだけではない。得点時はホームランばかりで、過去の年と比べても肩を回し、ランナーをホームに導く機会が少なかったらしい。不本意だったし、このまま出るのはどうかとも思ったらしいが、松田オーナーが自ら声をかけてくれたという。チームの再建のため、是が非でも河田をほしい、と思ったからだろう。

カープは一度、出た人間をなかなか戻さない。でも、松田オーナーは俯瞰した視点で、今のカープに河田が必要だ、と判断した。本人も意気に感じていた。前回コーチをしたときは単身赴任だったが、今回は広島に家族で引っ越すと言っていた。

俺が知っているコーチ・河田のすごさは、三塁コーチとしての判断力だ。三塁コーチは第2の監督とも言われる。ベンチのサインを走者、打者に伝えるのも大事な役割だが、加えて走者を三塁から回らせるかどうかは監督じゃなく、自身の一瞬の判断でしなきゃいけない。河田はこの判断がすごかった。話を聞いたことがあるが、自分のチームの走者の足、相手外野手の肩、送球のクセ、捕球時の位置、角度などから一瞬で判断するのだという。

ただ、今回はヘッドコーチだからサードコーチには立たないだろう。となれば、彼がこれまで磨いた判断力は、ベンチで隣に立つことになる同級生でもある、佐々岡真司監督に対してになる。助言をするとともに、ササの決断に対して後押しするか、拒否するかの判断も必要になるが、たぶん、河田はササに対し、遠慮はしないはずだ。

これは言っていいのかどうか分からないが、河田は「よそから見た感想ですが」と前置きした後、今のカープの問題を「慣れ合いの雰囲気」ではないかと言っていた。選手がミスしたとき、コーチが「まあ、仕方ない。いいよ、いいよ」という感じに見えたという。サラリーマンの人もそうだと思うけど、人に怒るのは面倒臭い。相手に嫌われるかもしれないし、「そこまで言うなら、あなたは」と見られるから、怒る側にも覚悟がいる。

でも、選手に嫌われようが何だろうが、コーチは言わなきゃいけないことは言わなきゃいけない。河田は、そこを変えたい、と言っていた。河田が入ったからカープがいきなり優勝を狙えるほど、プロ野球は簡単じゃない。時間はかかるかもしれないが、河田ヘッドで、カープは間違いなく変わる。(写真=BBM)

(※引用元 週刊ベースボール

関連記事

首位・阪神に接近、混セの主役は新井カープか?快進撃が続く「理由」

首位・阪神に接近、混セの主役は新井カープか?快進撃が続く「理由」

今季が就任1年目の新井貴浩監督率いる広島が好調を維持している。広島は6日に行われた阪神戦(マツダ)に4-0と勝利。一発攻勢と投打がかみあい、カード勝ち越しを決めた。順位は3位と変わらずも首位・阪神に2 …

真中満がセ・リーグ上位チームを戦力分析、広島「つなぐ打線がいい」

真中満がセ・リーグ上位チームを戦力分析、広島「つなぐ打線がいい」

2022年シーズンのペナントレース、セ・リーグは現在、ヤクルトスワローズ、読売ジャイアンツ、広島カープによるAクラス争いが続いている。自身も監督としてヤクルトを優勝に導いた経験がある野球解説者の真中満 …

見事な逆転満塁弾を放った、堂林翔太の改善されたカウント別の打撃とは?

見事な逆転満塁弾を放った、堂林の改善されたカウント別の打撃とは?

本拠地での今季初勝利に導く貴重な逆転満塁弾だった。7月8日DeNA戦(マツダ広島)。2対3で迎えた8回一死満塁で打席に立った広島の堂林翔太が、1ボール1ストライクからパットンが投じた148キロの外角直 …