新しい春が来た!希望の春だ!というワケで、新年あけましておめでとうございます。今日はプロ野球にとっての元旦。ついに2021年プロ野球シーズンが開幕しました。幕を開けてしまいました。
今年のカープに期待すること? もちろん優勝です。言うまでもなく優勝です。昨シーズンのカープは52勝56敗12引き分け、借金4で5位という成績。2016年から怒涛の3連覇を飾るも、4連覇が期待された2019年はまさかの4位。そして昨シーズンが5位。この2年は、優勝どころかどちらもAクラス入りを逃すという残念な結果に終わっています。
しか~し! 今年は大丈夫です。今年は完全に大丈夫です。昨シーズンは佐々岡新監督の船出の年。慣れない面もあったのでしょう。戸惑いもあったのでしょう。というか、カープを25年ぶりの優勝に導いた緒方前監督の初年度のチーム成績は4位。野村元監督の初年度のチーム成績は5位。やっぱり、新監督体制ですぐに優勝するというのは本当に大変なことだと思うのです。特にいま書いた3人は全員が監督経験なし、つまり「人生初監督」としての初年度の成績。やはり、どの世界でも経験値というものが大切なのだなということが分かります。
河田さんの大きな目は、まさにチーム全体を見る大きな目
ちなみに、優勝への種をまいたのは野村元監督。就任4年目の2013年に16年ぶりとなるAクラス入りを果たしてクライマックスシリーズに初出場、チーム全体に「最後まで戦える力」がついてきたことを見せつけてくれました。そしてその経験を生かし、緒方前監督が就任2年目で25年ぶりの優勝。ホップ、ステップ、ジャンプ。まさにそんな言葉がふさわしい上昇ぶり。そこから我々は、巨人以外のどの球団も成し得なかった「3連覇」という栄冠、あの幸せを手にしたのです。
そんな中で迎えた今日、すなわち2021年シーズン。2年目となる佐々岡監督の隣には河田さんがいます。そう、我々が大好きな河田さんがヘッドコーチとして帰ってきてくれたのです。河田さんは琢朗さんと共にカープを強くしてくれた名コーチ。正直、ほっとしますよね。これほど頼もしいことはありませんよね。改めて「おかえりなさい!」と言いたいです。
河田さんがキーポイントとして掲げたのは「つなぎ」。昨シーズンまではヤクルトにいたのでカープは対戦相手。そのカープとの戦績はそれほど良くなかったんだけど、客観的に見ていて打者の「つなぎ」の意識の甘さを感じていた。広輔や菊池がそのあたりをこなせていたか、明確に分かってやっていたかというと疑問だとインタビューで言っていました。カープはやはり「タナ・キク」が見本となり、チーム打撃や自己犠牲の姿を率先して見せていくべき。カープは、そこが機能して全体も機能していくチームなのだと。
そんな河田さんへのインタビューで印象に残ったのが「2軍の選手もテレビで試合を観ている」という言葉。1軍の選手がどういう野球をしているか、どういうチームプレーをしているか。それを見せる、体現することで、2軍の選手にも同じ意識がインプットされるのだと。それがチーム全体の「意識改革」へとつながるのだと。選手ひとりひとりの意識はやがてチーム全体の意識となり、それがカープそのものの戦い方になる。河田さんの大きな目は、まさにチーム全体を見る大きな目。ヘッドコーチという立場ではありますが、各部門のコーチと共に選手に指導をしています。その意識改革の成果が、今日から我々を楽しませてくれるんですよ。もう、ワクワクでしかありませんね。
なんだかもう、役者が揃ってる感じですよね
さて。今度は選手、ピッチャーに目を向けてみましょう。まずは我らがエース大瀬良。完璧な仕上がりで開幕を迎えてくれました。今日の試合でもきっと最高のピッチングをしてくれるでしょう。もし、もし万が一そうじゃなかったとしても大丈夫。今年の大瀬良は間違いなくやってくれます。かと思えば2年目の森下。早速「火曜日の男」と呼ばれ、こちらも順調な仕上がりで開幕。森下は個人的に大好きな選手でもあるんですが、なんでしょうかね、あの爽やかさ、清々しさ、素直さ、謙虚さは。投げるボールにもその人間性が表れているように見えます。特にあのストレート。まさに「まっすぐ」。本当に気持ちのいい球筋、それこそ「ボールが喜んで投げられている」と感じるほど素晴らしいと思います。
あとはノムスケ、なぜかフルネームで呼んでしまう九里亜蓮、からの遠藤や床田や中村祐たち。今シーズンの先発陣は豊富です。さらに栗林、大道、森浦。こちらも本当に楽しみ。抑えは栗林になりそうですが、個人的にはその前を投げるピッチャー。新人枠で言うと森浦がワンポイントリリーフ、ロングリリーフなど幅広い起用法ができそうな気配。フランスアが帰ってくれば栗林とのダブルストッパーというのも考えられます。いや~。なんだかもう、役者が揃ってる感じですよね。ていうか揃ってますね。やはりワクワクですね。
残るは打線。ここは河田さんの言う「タナ・キク」の機能度が上がってくれば必然的にそのあとの流れも良くなる。あとは堂林、クロンあたりがどうなるか。調子の悪い時の堂林は左肩が内側に入ってくる傾向があり、そこを我慢できればしっかり成績が残せると思うのですが、このコラムを堂林が読んでいるはずもないし、素人の私が言えるようなことはコーチがとっくに言ってるだろうし、とにかくシーズンを通して活躍してほしい。これに尽きます。お前が打てなかったら仕方ないよ。そう安心して見られるバッターになってほしいです。あと、クロンは日本野球へのアジャストに苦労しているけど、チームに積極的に溶け込み、つねに誠也のそばにいて、いろんなことを吸収しようとしていますよね。こういう「勤勉」な外国人選手は長い目で見てあげれば必ず成績を残すと思います。カープ史上最高の外国人選手と言っても過言ではないエルドレッド。彼だって最初の数年間は苦労したワケですから。クロンが覚醒した時。それはカープの打線に一切の穴が無くなる時かもしれません。
(※引用元 文春オンライン)