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スマホの『スポナビ野球速報』で、カープの試合を追うのが好きな理由

2021年4月26日

スマホの『スポナビ野球速報』で、カープの試合を追うのが好きな理由

今年もプロ野球が始まった。我らが広島東洋カープは故障で戦線離脱中の選手もおり、まだ本調子とは言えないかもしれないが、ポジティブな材料も多い。菊池涼介選手は開幕から打ちまくっているし、森下暢仁選手は2年目だというのに安定感がすごい。抑えのルーキー、栗林良吏選手は今年の新人王を争うであろう。中村奨成選手、羽月隆太郎選手、坂倉将吾選手など若手の野手もガンガン頭角をあらわしてきている。今年はどうやら阪神が手強いようだが、なんとか食らいついて3年ぶりのAクラス入りを、そしてあわよくば優勝してもらいたい。

と、このようにプロ野球ファン風のことを口に出している時、いつも心に引っ掛かりがある。自分ごときが野球語ってすいません、という気持ちになる。なぜなら、私の持つ最近のプロ野球情報のほとんどは「スポナビ野球速報」で得たものばかりだからだ。

しかしこれは本当に“野球を観ている”と言える状態なのか

プロ野球ファンなら誰もがスマホにインストールしているであろうスポナビ野球速報。おかげでどこにいても、ほとんどタイムラグなく試合状況を知ることができる。投手が投げ込んだコースや球種、球速までわかる。記録に残りやすいデータ以外にも「投手ガッツポーズ」「打者のけぞる」「止めたバットに当たる」といった現場感のある情報まで知らせてくれる。試合終了後は各選手の最新成績が更新される。打率や本塁打数といった基本的な成績だけでなくOPS、犠打数、盗塁数、得点圏打率などテレビや新聞をパッと見ただけでは把握しにくい部分まで知ることができる。最近は二軍の試合情報までカバーしてくれていて実にありがたい。

球場に行けずとも、試合中継を観られずとも、スポナビをこまめにチェックしていれば最近のプロ野球情報は割と頭に入ってくる。しかしこれは本当に“野球を観ている”と言える状態なのか。

私はボールの動きも選手の顔も実際に観ていない。見ているのは画面に表示された文字と数字の羅列だけだ。それなら別に野球じゃなくてもいいんじゃないか、と自分を疑いたくなることもある。だから飲みの席などで野球好きの人に話題を振られると、「まあ、そんなちゃんと観てるわけじゃないんスけどね……」とつい卑屈な態度を取りがちだ。あまり知ったような顔をするとどんどん話がコアな方向へ進み、スポナビで得た知識だけでは対応できなくなってくる。源田の守備を熱く語りはじめた相手に「なるほど」「確かに」と曖昧な相槌を打ちながら、早くこの話おわんねえかな、と考えてしまうような状態に陥ってしまう。

スポナビを見ているだけでは、細かい守備のことはよくわからない。たまに「逆シングル」「グラブ弾く」「スライディングキャッチ」といった守備に関する詳細が追記されることもあるが、基本的には打撃や投球の情報がメインだ。そもそも私は野球をちゃんとやったことがないせいか、守備の技術というものがよくわかっていない。中学時代にパワプロをやり込んだだけで何となく守備をわかった気になっていた頃もあったが、やはり実際の野球をある程度観ないと守備を観る眼は育っていかないのだろう。YouTubeでファインプレー集などを観ても、恥ずかしながらいまだに凄さがあまり把握できない。音楽で言うなら、ベースとギターの音を聞き分けられていないような状況だろうか。守備をわかっていないということは、野球の半分をわかっていないということかもしれない。

最初から全てを知ってしまうより、知らない部分が多い方が楽しいことだってある

いろいろ思うところはあるが、とりあえずスポナビが好きなのは本当だ。友達と外出している時なども、トイレや喫煙所でひとりになったらすかさずスマホを取り出してスポナビを確認する。

最初に観るのは現在のスコア、そして打者成績だ。どの選手が何打数で何安打、何打点というのをスコアボードと見比べ、なんとなく点が入った流れを想像する。たとえば松山選手の打数が他選手より1つ少なくて打点に1がついていたら、多分3回のここで犠牲フライ打ったんだろうな、といった風に。その後、試合経過をチェックして予想が当たっていたら嬉しいし、予想と違っていてもそれはそれで「へ~、なるほど」などと思う。

そんな時間が私はけっこう好きだ。文字や数字といった限られた情報から試合の流れを想像する楽しみもあると思う。最初から全てを知ってしまうより、知らない部分が多い方が楽しいことだってある。最近はめっきりなくなったが、昔はCDのジャケットやディスクレビューだけでどんな音楽が鳴っているかを想像してわくわくした。今思えばあれは贅沢な時間だった。

スポナビを観た後、改めてテレビのスポーツニュースで試合のダイジェストを観ると、プロの動きのダイナミックさをより実感できる。映像で観ると自分の想像と結構違っていたりもして、好きな小説や漫画の実写化を観た時の感情に近い。そのような段階的な楽しみ方ができるのもスポナビの利点と言えるだろう。

自分はカープファンを名乗れるラインに達していないのではないかと長年思っていた

そう言えば、自分がカープファンだと実感できたきっかけもスポナビだった。

小学2年か3年頃から一応カープファンを自称している私だが、自分はカープファンを名乗れるラインに達していないのではないかと長年思っていた。『はだしのゲン』に出てくる、カープのことですぐカッとなり殴り合いの喧嘩をするカープファン。自分とは熱量が全然違うと子供心に思った。スポーツニュースに映る、球場で赤い風船を飛ばしたり、声を張り上げる人たち。ああいうことも私はちゃんとやっていない。

しかし今から4~5年くらい前のこと。その日は人とうまく話せなかったか何かで気が塞ぎ、酒をあおっていた。何気なくスマホを取り出しスポナビ野球速報をチェックしたところ、カープも試合に敗れている。その時「なんだよクソッ、カープも負けるしよお!」という言葉が思わず口をついて出た。驚いた。感情の起伏に乏しい自分が、カープが負けたことをこんなにも自然に悔しがるなんて。その瞬間、なんだ、俺ってけっこうカープ好きじゃん、と嬉しくなったのを覚えている。

やっぱり私にはスポナビが合っているのかも知れない。ただ最近は客としてNPBに全くお金を落としていないのが少々気がかりだ。だから基本は今までどおりスポナビで応援しつつも、今年は改めて何度か球場にも足を運びたいと思っている。最近は歳のせいか昔に比べると人の目が気にならなくなって来たので、前より自然に応援できると思う。現地で観戦している間もスマホを頻繁に取り出しスポナビばかりチェックしてしまいそうなことだけが少し不安だ。(吉田靖直)

(※引用元 文春オンライン

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