球界を代表する二番と言えば、菊池涼介を置いてほかにはいない。昨年のWBCでは侍ジャパンの一員として全7試合に二番で出場し、広島に戻っても136試合に二番でスタメン。4年連続で100試合以上を務めている「定位置」と言える。
昨年6月10日の楽天戦(Koboパーク宮城)で通算200犠打を達成。プロ野球39人目の記録に史上4番目のスピードで到達した。
「チームのためにと思ってやってきた積み重ねです」と語るように、献身的な仕事が二番としての基本姿勢。右打ちも徹底する。最近はベンチの方針でバント以外に打ってつなぐことも多いが、きっちりこなしてみせる。緒方孝市監督も「難しい打順の中で、頼もしい」と全幅の信頼を寄せる。
そんな小技だけでなく、飛距離も持ち合わせる。長野・武蔵工大二高(現東京都市大塩尻高)時代に、2学年上で元ソフトバンクの中原恵司氏の大きな打球にあこがれた。そして練習にロングティー打撃を本格導入し、バットを入れる角度やスピンのかけ方を研究。飛ばすコツをつかんだという。
昨年WBC準決勝のアメリカ戦、速球派右腕・ジョーンズ(ホワイトソックス)から右翼席にたたき込んだ同点ソロは記憶に新しい。今オフの優勝旅行先のハワイでは、チーム内のゴルフコンペでドラコン賞に輝いたほどだ。
年が明けた18年シーズンでも、田中広輔、丸佳浩との「タナキクマル」トリオは健在。「忍者」と形容される守備も加え、最強の二番として輝き続ける。(写真=BBM)
(※引用元 週刊ベースボール)