試合の最後まで、一番・遊撃でグラウンドに立ち続ける。田中広輔は2016年、17年と2年連続のフルイニング出場を達成した。広島の遊撃手としては初の偉業。野村謙二郎氏でも高橋慶彦氏でも到達できなかった領域だ。
「レギュラーである以上、試合に出続けるというのは目標」と語る。18年以降に向けても「こだわりはある。行けるところまで続けていきたい」と意欲を示した。17年は3月のWBCにも出場。長いシーズンでの苦しい時期も乗り越えてきた。
勲章も手にした。初のタイトルとなる最高出塁率と盗塁王の2冠を獲得。16年シーズン後に盗塁王を狙うと宣言し、有言実行だった。
さらに18年に向けては35だった盗塁を「40はしたい。1年だけで終わってしまうのは寂しいので続けて獲りたい。いいスタートが切れていないのに行ってしまうことがあった。改善できれば届くと思う」と目標も口にする。
打率は「3割」を、出塁率は「4割」を目標に掲げ、開幕へコンディションを整えている。
球団からも一番打者としての役割を高く評価された。契約更改では6200万円増の推定年俸1億4000万円でサイン。5年目で大台を突破し、一流選手の仲間入り。「ひとつの目標だったので、素直にうれしいです」と頰を緩めた。
交渉にあたった鈴木清明球団本部長は「一番として連覇に貢献してくれた」と最大級の評価を下した。好不調の波が少なくなり、欠かせぬ存在になったタフガイ。18年も不動のトップバッターとして3連覇を先導する。(写真=BBM)
(※引用元 週刊ベースボール)