新シーズンのテーマを問われた西川龍馬は、「本気と書いて“マジ”です」と単純明快な言葉で思いを表現した。「1年間フルでしっかりやったことない。マジで今年しっかりやらないと」と誓った。
オフの契約更改の席上、西川は『(打率)3割25本塁打』という高いハードルを自らに課した。昨季123安打でリーグ2位に相当する打率.315の好成績も、約2カ月間の故障離脱もあって規定打席に19足りなかった。通算打率.298を誇りながら、規定打席に到達しての3割突破は一度もない。
「もう8年目。僕より下の選手も多くなってきている。結果で示していかないといけない」と、覚悟を示す目標数字だった。
バットコントロールは球界屈指だ。ワンバウンドを含めた“悪球”をヒットにしたことは一度や二度ではない。一方で、ボール球に手を出しての凡打も多いことが課題だと自覚もしている。
「甘い球だけを一発で仕留められる力があれば、もうちょっと確率は上がる」。今年で5度目となる鹿児島・徳之島での合同自主トレでは通算打率.307のソフトバンク・近藤健介と密に打撃論も重ね、技術に磨きをかける日々を送った。
オフには昨季中に取得した国内FA権を行使せず、残留を決めた。「気分悪くなるくらい考えました」と熟考の末、新井貴浩監督の「ノー文句で残ってもらわないと困る」という慰留にも背中を押されて決断。
契約は複数年ではなく、単年を選んだ。背番号は巨人に移籍した長野久義から受け継ぎ「5」に。背番号だけでなく、結果でも新たな姿を見せてくれそうだ。(写真=BBM)
(※引用元 週刊ベースボール)