新監督の下、生まれ変わる広島
1位・阪神 85点
※46勝35敗3分
思い描いていた戦い方とは違ったかもしれない。2021、22年と2年連続最多勝を獲得したエースの青柳晃洋が不調で2カ月近くファーム暮らしの大誤算。西勇輝も状態が上がらない中、先発陣を救ったのは現役ドラフトで昨オフにソフトバンクから移籍した大竹耕太郎、昨年まで未勝利だった3年目右腕・村上頌樹だった。大竹は7勝、村上は6勝を挙げて防御率は共に1点台と大活躍。ただ、阪神の真価が問われるのは後半戦だ。例年も前半戦は好位置につけるが、夏場以降に失速するケースが多い。青柳、西勇が先発の軸として復活が望まれる一方、打撃不振だった佐藤輝明、シェルドン・ノイジーの打棒爆発に期待したい。
2位・広島 90点
※47勝38敗
新井貴浩監督が就任した広島が生まれ変わろうとしている。2019年から4年連続Bクラスと低迷期が続いていたが、今季は投打のバランスが良く粘り強い戦いを繰り広げている。交流戦は新型コロナウイルスの感染拡大で中止となった20年を挟んで、19年から3年連続最下位と鬼門になっていたが、今年は9勝9敗と借金を作らずに乗り越えられたことが大きい。課題だった救援陣は守護神の栗林良吏が春先に打ち込まれる登板が続いたが、セットアッパーで復活の兆しを見せている。新守護神の矢崎拓也も堂々とした投球で17セーブをマーク。混セを制して黄金時代復活なるか。
3位・DeNA 70点
※43勝38敗2分
投打ともに戦力が充実している陣容であることは間違いない。先発陣は東克樹が8勝と復活し、今永昇太、新加入のトレバー・バウアー、大貫晋一、石田健大と能力の高い投手がそろっている。打線も主将の佐野恵太、四番・牧秀悟、リーグトップの打率.347をマークする宮崎敏郎、今季ブレークした関根大気とタレントがそろうが、記録に残らない部分を含めて攻守でミスが目立つのがもったいない。長年抑えを務めてきた山崎康晃が防御率4.45と不安定で守護神を剥奪されたのも不安要素だ。爆発力を秘めたチームだが、覇権奪回へ攻守で精度を高める必要がある。
借金2の巨人の浮上はあるか
4位・巨人 60点
※40勝42敗1分
若返りを図る変革期の中、ブレークしたのが高卒3年目の秋広優人だ。長打力とミート能力を兼ね備え打撃で5月下旬以降は三番に定着。ドラフト4位の門脇誠も内野の守備能力が高く、打撃の能力が引き上がればレギュラーをつかめる。課題だった救援陣も整備され、先発陣はエース・戸郷翔征、安定感がグッと増した山崎伊織の成長が光るが、借金2で前半戦を終えた現実を受け止めなければいけない。坂本勇人が右太もも肉離れで戦列を離れ、中田翔も5月に右太もも肉離れで一時離脱した。丸佳浩、菅野智之らベテランも満足できるパフォーマンスを見せられなかった中で、チームをどう立て直していくか。
5位・ヤクルト 45点
※35勝46敗2分
リーグ3連覇を目指し、戦前の下馬評が高かったヤクルトだが前半戦で大きくつまずいた。村上宗隆、山田哲人、塩見泰隆ら主力選手たちが稼働しなかったことが低迷の要因となった。昨年三冠王に輝いた村上は打撃不振に苦しみ、山田と塩見は故障で戦列を離れたことにより得点力が落ちた。投手陣も前半戦を終えて勝ち越した先発投手がゼロ。小川泰弘は3勝7敗、高橋奎二も4勝5敗とエース格の白星が伸びない。ただ、7月は前半戦最後のカードとなった巨人戦で同一カード3連勝を飾るなど9勝4敗と勝ち越している。後半戦は借金を完済し、優勝争いに加われるか。
6位・中日 40点
※34勝48敗2分
助っ人選手たちに誤算が相次いだ。昨季最優秀中継ぎ投手に輝いたジャリエル・ロドリゲスが開幕前にキューバからメジャー移籍のために亡命。シーズンに入ると、得点力アップを目論んで補強したアリスティデス・アキーノ、オルランド・カリステ、3年ぶりに復帰したソイロ・アルモンテがそろって機能せずファーム暮らしだ。先発の軸として期待された大野雄大も4月に左肘のクリーニング手術を受けて長期離脱した。現役ドラフトでDeNAから移籍した細川成也が自己最高の打率.285、12本塁打、49打点とブレークしたが、チーム再建にもう少し時間がかかりそうだ。(写真=BBM)
(※引用元 週刊ベースボール)