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セ・リーグ2位に躍進も…再び長期低迷に陥りかねない『チーム事情』

2023年10月11日

セ・リーグ2位に躍進も…再び長期低迷に陥りかねない『チーム事情』

くすぶっていた中堅やベテラン選手の活躍

10月4日にセ・リーグは、レギュラーシーズンの日程を終了した。開幕前の予想を大きく覆したチームといえば、昨季の5位から2位に浮上した広島になるだろう。オフの補強は、新外国人のデビッドソンと現役ドラフトで獲得した戸根千明くらいで、解説者の多くは、今季も低迷するのではないかと予想していた。ところが、シーズンが始まってみると、苦手な交流戦を勝率5割で乗り切り、6月以降は順調に勝ち星を重ねて、見事に5年ぶりとなるクライマックス・シリーズ進出を決めた。(西尾典文)

広島躍進の原動力となったのは、今季から就任した新井貴浩監督の手腕である。就任時にコーチ経験がないことを不安視する声があったが、現有戦力のやりくりでチーム成績を大きく改善させたのだ。

特に目立ったのが、ここ数年くすぶっていた中堅やベテラン選手の活躍である。投手では、かつての守護神だった中崎翔太が中継ぎで復活したほか、元エースの野村祐輔は、登板試合数は6試合ながら、防御率1.16をマークしている。

一方、野手では、田中広輔が3年ぶりに100試合以上に出場。堂林翔太は3年ぶりに二桁ホームラン(12本)を放ち、シーズン終盤には4番に座った。主砲のマクブルームが不振に陥ると、新井監督は、上本崇司や菊池涼介といったリードオフマンタイプの選手を4番で起用し、チームに“繋ぐ意識”を徹底させた。

「(前任の)佐々岡真司監督もコーチ時代から、その人柄の良さは誰もが認めるところでした。だけど、(ドラフト1位で)いわゆる“天才肌”の選手だったので、上手くいかない選手を引き上げることは向いてなかったようです。猛練習で知られる広島で、『あれほど練習せずに活躍した選手はいない』と言われていたくらいですから……。一方、新井監督は、ドラフト下位(6位)で指名されて入団しました。若い頃は本当にエラーやミスが多かった。そこからの叩き上げで一流選手になったということもあって、できない選手の気持ちを人一倍理解できる。これは、(選手を指導するうえで)大きいのではないでしょうか。ミスが出た選手のことを責めるような発言は一切聞かれません。また、阪神時代には成績を落として自由契約になって、そこから古巣の広島に戻って復活したという経緯もあります。こうした姿を見てきた選手が多いですから、それが上手くチームがまとまる要因になったと思います」(在阪スポーツ紙記者)

チーム成績は軒並みリーグ下位

とはいえ、来季以降も広島の展望が明るいと言い切れるかといえば、話はそこまで簡単ではない。今季の主なチーム成績をまとめてみると、盗塁数以外は軒並みリーグ下位に低迷している。

<広島の主なチーム成績>

得点:493点(リーグ5位)
失点:508点(リーグ5位)
本塁打:96本(リーグ4位)
盗塁:78個(リーグ2位)
打率:.246(リーグ4位)
防御率:3.20(リーグ4位)
失策:82個(リーグ5位)

先発投手は、床田寛樹が11勝7敗で投手陣の柱に成長したものの、大瀬良大地が6勝11敗で2年続けて成績を落とした。九里亜蓮は、イニング数を大きく伸ばしながら、8勝8敗にとどまっている。ふたりは今年で32歳という年齢を考えると、来季以降、成績がさらに下降していく可能性は否定できない。

リリーフ陣をみると、守護神の栗林良吏が開幕直後から調子が上がらず、栗林の穴を埋めていた矢崎拓也は、夏場以降は大きく成績を落とし、8月の防御率は7.88と振るわなかった。

一方、野手陣は、秋山翔吾や菊池涼介といったベテランへの依存度が非常に高いという問題を抱えており、レギュラークラスの若手選手は、小園海斗しか見当たらない。昨年、国内フリー・エージェント(FA)権を取得しながら行使せず、単年契約で残留した西川龍馬が、他球団への移籍を決断すれば、一気に打線が苦しくなるだろう。佐々岡監督時代にドラフトで大学生や社会人の投手を中心に選手を獲得してきた影響によって、若手野手の有望株が少なくなっている。貴重な有望株である林晃汰も、今季は20試合出場、打率.207、本塁打1と伸び悩んでいる。

右の強打者が不足

今年のドラフト会議では、どんな野手を指名していくか、今後のチーム作りには欠かせないのだが、一部のメディアでは、即戦力となりうる大学生投手を狙うのではないかと報じられている。先発の新たな柱が必要であり、この方針は理解できるが、2020年や2021年のように、ドラフト上位を大学生と社会人の投手で固めることは、チームのバランスと将来を考えて避けるべきだ。

特に気になる点は、右の強打者が不足していることだ。外国人選手を除くと、最もホームランが多いのは、堂林の12本。次いで、2年目の末包昇大が11本塁打を放ったが、今年で27歳と若手といえる年齢ではない。このため、昨年2位で指名した内田湘大に続く“高卒の大砲候補”は必要不可欠である。

今年のドラフト候補の中では、九州ナンバースラッガーとの呼び声が高い明瀬諒介(鹿児島城西)や、夏の甲子園で2本のホームランを放ち、U18侍ジャパンに選出された森田大翔(履正社)といった有望株を積極的に狙うべきだ。彼らの指名に成功すれば、内田と競わせるのが得策だろう。

広島は、12球団で唯一FAでの選手獲得がなく、自前で選手を育てる方針で戦っている球団だからこそ、スカウティングと育成が機能しなければ、再び長期低迷に陥る危険性がある。目先の即戦力投手ばかりに注力するのではなく、将来を見据えたドラフト戦略をとることができるのか。このオフの大きな注目ポイントとなる。

(※引用元 デイリー新潮

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