阪神とCSファイナルで激突
広島は15日、DeNAとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦(マツダ)に競り勝ち2連勝。今季就任の新井貴浩監督(46)が「高校球児のように」と表現した通り、ベンチワークで1点を積み重ねる〝スモールベースボール〟を貫き、リーグ覇者の阪神への挑戦権をつかんだ。
歓喜にわく真っ赤なスタンドを見渡しながら、新井監督は阪神とのCSファイナルに向け「甲子園ではがむしゃらに、カープの全員野球で高校球児のように戦っていく」と宣言した。
初采配のCSもまさに全員野球だった。この日は2点リードの6回無死一、二塁で先制ソロの3番西川が犠打。続く4番堂林に送った代打松山が凡退して追加点はならなかった。同点とされ8回無死一、二塁でも西川が再び犠打。続く代打田中が今度は勝ち越し打を決めた。
中軸打者にも迷わず代打を送り、バントのサインも出す。藤井彰人ヘッドコーチ(47)は「(シーズン)初めから『ホンマ何させるか分からんから準備しといて!』と伝えている。選手は分かってくれている」と1年かけて培われたチーム内の意思統一を強調。「今日は1点勝負。安打も続かない中で、走者が得点圏に進めば外野が前にきたりヒットゾーンが広がったり、相手にプレッシャーを確実に与えられる」と意図を説明する。
メジャー帰りのベテラン、秋山翔吾外野手(35)も今季はチーム2位タイ9犠打。「本塁打を20本も打てる打者がいない。広島の野球はこういう形だと理解している」とうなずき、この日も2回無死一塁の打席で「バントかなと思っていたら打たせてくれた」と〝スモール野球〟にすっかり順応している。
短期決戦ではシーズン以上に威力を発揮しそうな新井采配。
高校球児の聖地で18日から行われるCSファイナルでも、阪神とシーズンの11・5ゲーム差を感じさせない好勝負が期待できそうだ。(山戸英州)
(※引用元 夕刊フジ)