昨季一軍デビューして打率.364マーク
新井貴浩監督就任1年目の2023年は2位に躍進した広島。リーグ3連覇以降は4年連続Bクラスに低迷していたが、5年ぶりにシーズン勝ち越しとなった。
2024年はさらにもうひとつ上の優勝が期待されるが、西川龍馬がFAでオリックスへ移籍。今オフは外国人以外、目立った補強もしておらず、ドラフトも1位から3位まで大学生投手が占めた。
昨季11本塁打の末包昇大らとともに外野のポジションを狙う期待のホープが田村俊介だ。愛工大名電高から2021年ドラフト4位で入団して今年で3年目。昨季は一軍デビューを果たし、9月12日のヤクルト戦でプロ初安打を放つなど10試合で22打数8安打の打率.364をマークした。
二軍では59試合に出場して打率.278、4本塁打、29打点。昨秋に宮崎で行われた日本代表「侍ジャパン」との練習試合では5番ライトで先発出場し、3打数2安打とアピールに成功した。
柔らかいスイングで打撃面の評価は高い。高校時代に通算32本塁打を記録したパンチ力、投手としても最速145キロをマークして一時は「二刀流」も期待されたほど野球センスは抜群だ。
鈴木誠也がメジャー移籍し、西川龍馬もチームを去った。今春キャンプからオープン戦で、次期スター候補として田村の成長した姿を見られるか。
中村貴浩、久保修、二俣翔一らの若鯉にも期待
「ポスト西川龍馬」争いでは中村貴浩も面白い存在だ。
九州国際大付高から九州産業大を経て2022年育成2位で入団。ルーキーイヤーの昨年5月に支配下登録され、一軍で15試合に出場、34打数6安打の打率.176と数字は平凡だったが、貴重な経験を積んだ。
ウエスタン・リーグでは82試合で打率.244、8本塁打、36打点をマーク。昨秋の侍ジャパンとの練習試合に1番レフトで先発出場し、根本悠楓(日本ハム)から逆方向の左翼へアーチを架けた。遠くへ飛ばす力は目を見張るものがある。
また、石見智翠館高から大阪観光大を経て2022年ドラフト7位で入団した久保修も覚えておきたい存在。走攻守3拍子揃った野球センスで今秋キャンプからセカンドに挑戦している。イケメンだけに活躍すれば人気が急騰しそうだ。
内野手では磐田東高から2020年育成1位で入団した二俣翔一も成長株。昨季は二軍で107試合に出場し、ウエスタン・リーグ最多の94安打、打率.257、5本塁打、36打点と成長の跡を示した。まずは今春キャンプ、オープン戦でアピールし、一軍初出場を果たしたい。
西川龍馬が抜けたからこそ若手にとってはチャンスが増える。活きのいい若鯉の出現が期待される。
(※引用元 SPAIA)