新人王を獲得したのが2020年。以降、タイトルは22年にゴールデン・グラブ賞を受賞しただけだ。5年目を迎える森下暢仁は「どのタイトルも常に獲りたいと思っている」と強いこだわりを胸に抱く。
「なかなかうまくいかないシーズンばかり。同じような結果しか残していない。そこは変えられたらなと、強い意識を持ってやりたい」と決意を示した。
右肘手術の影響で出遅れた昨季は2ケタに1勝届かず。1年目から安定した成績は残しているものの、物足りなさも。それは自身が一番、分かっている。「勝ち星なら2ケタいって当たり前だし、15(勝)ぐらいしたい。規定(投球回)にいくのも当たり前」と、高いハードルを課す。
突き抜けた成績を残すために、何が足りないのか――。「球速もコントロール、技術もそうですけど、すべて」と自己分析する。オフには前田健太(タイガース)に弟子入りし、主に投球までの準備の方法を学び、チェンジアップの改良や新球種スライダーの習得にも取り組んできた。
今季初実戦となった3月1日の楽天戦(倉敷)では3回2安打無失点。だが、「全然良くなかった。(捕手が)構えたところにいってないし、直球も高めに抜けてばかり」。今年の森下は、どこまでも自分に厳しい。
個人タイトルの獲得を最低ノルマに、その先に見据えるのは“チームのタイトル”。
「チームが優勝するために、というところを強く思って、意識高くやりたい」。名乗りを挙げていた開幕投手こそ先輩の九里亜蓮に譲ったが、先発の柱の一人して先頭に立ってチームを引っ張っていく。(写真=BBM)
(※引用元 週刊ベースボール)