9月で33歳。中堅からベテランに差し掛かり、松山竜平の打撃により磨きがかかっている。今季は外野のほか一塁手でもスタメン出場。相手が左投手の場合はベンチスタートもあるが、初のシーズン規定打席到達へ突き進んでいる。
強力打線でクリーンアップの一角を担う。開幕直後に鈴木が下半身の張りで離脱すれば、代役四番を務めた。そして4月下旬に丸が右足を痛めて約1カ月不在の間は三番を任された。
以降はほぼ五番に固定。打率は6月に入って3割を超えてきた。得点圏打率も3割超(7月11日現在)。勝負強さが光る。
6月26日の巨人戦ではプロ初の満塁アーチ。1回の4点ビハインドを直後に追いつく千金打で、逆転勝ちにつなげた。「最高に気持ちよかった。完ぺきな打撃ができました」。つなぐ意識を持ちながら、試合を決める一撃も打てる。翌27日には国内フリーエージェントの資格取得条件を満たした。
どんな球種、コースでもヒットゾーンに飛ばせる。いわば、天才肌。迎打撃コーチも舌を巻く。「芯でとらえる能力に優れている。極端なことを言えば、どんなボールでも手を出せる。ストライクゾーンの中で広く待って、あまりしぼって打たない」。あまり細かく指導せず、本人の感覚に多くを任せているという。
守備と走塁という課題はあるが、向上心も高い。試合のない日もマツダスタジアムを訪れ、トレーニングに精を出す。「結果を残さないといけないですから」。多くを語らず派手さはないが、赤ヘル打線に欠かせない存在だ。(写真=BBM)
(※引用元 週刊ベースボール)