プロ野球は29日、セ・パ両リーグが開幕する。前ソフトバンクヘッドコーチで、かつて広島監督などを歴任した評論家の達川光男氏(63)にペナントレースの行方を聞いた。パはソフトバンク、セはリーグ4連覇を目指す広島の優勝を予想した。
【パ・リーグ】
ソフトバンクが頭一つ抜けている。投打で多少の故障者が出ても穴が埋まる選手層の厚さは何といっても強み。抑えはサファテの状態が不安視されるが、成長著しい森が十分代わりを務めるだろう。
対抗馬は日本ハム。投手陣はコマがそろい、新人の吉田輝も今季途中から出てきそうな素材だ。打線では大田の覚醒が大きい。新外国人の王柏融もバットの出がスムーズで活躍が期待できる。
3位以下の評価はほぼ横並びで、先発から西と金子が抜けたオリックスは山本ら若手が台頭。打線が機能すればAクラスもある。西武は1985年の阪神のように、過去打力で優勝したチームが連覇していないのは気になるところ。1番で持ち味を発揮した秋山の3番起用がどう出るか。
楽天は昨年は故障に泣いた攻守の要の茂木が1年活躍すれば台風の目となり得る。ロッテは外野を狭くした改修工事が吉と出るかどうかだろう。
【セ・リーグ】
投打のバランスが取れた広島の4連覇は堅い。ただし高い出塁率(・468)を誇った丸が抜け、得点力はかなり落ちる。去年のようなぶっちぎり(2位と7ゲーム差)の優勝はないだろう。
2位から4位は混戦を予想する。阪神は野村さんと星野さんに学んだ矢野新監督の采配に期待。木浪(きなみ)と近本の新人野手も働きそうだ。DeNAは上茶谷(かみちゃたに)、大貫の両新人投手が計算でき、ソト、宮崎、筒香、ロペスが並ぶ打線の破壊力は健在だ。
丸の入った巨人は打線に厚みが増したが、抑え候補が二転三転するなど投手陣には不安がある。炭谷、小林両捕手の使い分けも難しそうだ。
ヤクルトは野手にベテランが多く、昨年のように打線が機能するかは疑問。2年目の村上に期待するのはまだ早いだろう。ビシエド、大島らを擁する中日打線は強力だが、広いナゴヤドームで打ち勝つのは困難。投手陣の整備が急務となる。
(※引用元 産経新聞)