広島のリーグVに黄色信号が点灯した。広島は2019年6月13日、札幌ドームで日ハムと対戦し、2-2で引き分けた。広島は初回、長野久義外野手(34)の3塁打などで1点を先制するも、以降は9回までゼロ行進。10回には四球押し出しで逆転し、このまま逃げ切るかと思われたが直後に1点を許して再び同点に。結局、12回引き分けに終わり交流戦単独最下位に転落。リーグ順位は首位を死守したものの、2位・巨人とは1ゲーム差の展開となった。
DHは機能せず、リードオフマン、守護神の座を次々にはく奪
広島は交流戦3カードを消化し、2勝6敗1分で勝率は.250と低空飛行が続いている。チーム防御率は3.36と、投手陣は奮闘しているが、打線が一向に上向かない。交流戦の大きなカギとなるDHは12日まで12球団唯一の無安打と、まったく機能せず、13日の初回に長野が放った3塁打が交流戦初のDH安打となった。
交流戦に入って投打がかみ合わない広島だが、深刻なのはリードオフマン野間峻祥外野手(26)と守護神・中崎翔太投手(26)の不振だ。野間はここ4試合無安打で、11日の日ハム戦では不甲斐ない打撃によって5回に「懲罰交代」の屈辱を。翌12日にはスタメンから外され、5月1日の阪神戦からの1番の座をはく奪された。不振の続く中崎も中継ぎに降格し、守護神の座をはく奪された。
貯金「13」のリーグ首位で交流戦に突入し、3カードを終えた時点で交流戦単独最下位。この流れは、2014年のものと重なる。14年は貯金「12」のリーグ首位で交流戦に入り、交流戦9勝15敗で最下位に終わった。交流戦で貯金を大きく切り崩し、リーグの最終成績は3位。なんとかAクラスを死守したものの、交流戦で優勝した巨人に7.5ゲーム差を付けられてのものだった。
「5月の大型連勝の反動が一気に来ている感じが…」
このまま交流戦を最下位で終えるような事態となれば、過去のデータに照らし合わせるとV確率は0%となる。さらにデータを追及すると、過去14年間、交流戦で最下位に終わったチームのうち8チームがリーグでも最下位となり、12チームがBクラスでシーズンを終えている。交流戦最下位でAクラスにとどまったのは、12年のヤクルトと14年の広島の2チームのみ。いずれも3位に終わっている。
在京球団関係者は「広島の打線は確かに強力ですが、交流戦に入って空回りしている感がある。5月の大型連勝の反動が一気に来ている感じがします。連勝中は選手も気が張っていますから疲れを感じないかもしれませんが、いったん歯車が狂いだすとメンタル面も沈みがちになる。自力のあるチームですからまた、5月の連勝のような大型連勝があるかもしれませんが、交流戦での結果はシーズン終盤に大きく響きますから、負けられないゲームが続くと思います」と話す。
開幕から球団史上初の5カード連続負け越しで、データ的にV確率がゼロになったとメディアを騒がせた。その一方で5月には11連勝をマークし、球団の月間勝利数を更新する20勝を挙げた。鯉の季節が終わった途端にチームは下降線に。広島の苦しい戦いは続く。
(※引用元 J-CAST)