広島期待の新助っ人ピレラは春季キャンプでジワリジワリとベールを脱ぎつつある。ヤンキース、パドレス、フィリーズを経て、日本へやってきた。メジャー通算302試合に出場し、打率.257、17本塁打、82打点。
打撃練習でサク越えを連発するほどの派手さはないが、右に左にと広角に強い打球を打ち続ける。長距離砲というよりも、中距離打者として、日本での活躍が期待される。
ピレラの第一印象について朝山打撃コーチは「非常にシンプルで癖がない。ノーステップでしっかりコンタクトできている」と評価。
他球団のスコアラーは「コンタクトがしっかりできて、ミートがうまい。本塁打も打てるし、広角にも打てる」と分析した。ピレラは自身の打撃スタイルを「コンパクトに振ること」と言い切る。右打者のため逆方向の右中間方向への打球を意識し、取り組んでいる。
持ち味は打撃だけではない。守備の本職は外野ながら一塁、二塁も守り、現在は三塁に挑戦中。三塁の守備について高ヘッドコーチは「グラブさばきは柔らかい。肩はまだできていないみたいだけど、足はよく動いているし、全然問題はないと思う」とうなずく。
182センチ、99キロの巨体ながら、2月9日の紅白戦では、堂林の左前打の間に二塁から激走し、見事に生還。助っ人では珍しい走力も兼ね備える。
チームの四番・鈴木誠の前後を打つ打者の一人として期待されているだけに、これから実戦でどれだけ対応できるか。新助っ人がV奪回の使者となる。(写真=BBM)
(※引用元 週刊ベースボール)