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三好匠と石原貴規、送球を『シュート回転』で曲げるふたりの秘密!

2020年4月28日

三好匠と石原貴規、送球を『シュート回転』で曲げるふたりの秘密!

シュートを投げる。投手ではない。野手の話である。広島の捕手と内野手の中で、それぞれトップクラスの送球の安定感を誇る2人。ドラフト5位・石原貴規捕手(22、天理大)と三好匠内野手(26)は、送球を“変化球”で曲げていると言うのだ。

“スリークオーターからのシュート”で抜群の安定感

石原貴から紐解きたい。「スリークオーター気味にシュートを投げています」。字面だけなら、投手のくだりである。同1位・森下と同期入団の大卒新人。春季キャンプで1軍に同行し、新人離れした守備力で評価を高めた。特に送球の安定感は抜群だった。2月15日の阪神との練習試合で昨季の盗塁王・近本の二盗を阻止するなど実戦派の一面を印象づけて、現在は2軍で腕を磨いている。

スポニチの過去記事には、大学4年春のリーグ戦の盗塁阻止率は10割とある。「そうなんですかね……。確かに走られた記憶はないです」。いわゆる「甲斐キャノン」のような強肩タイプではない。確実な制球力でプロへの扉を開いた。秘密は「シュート」にあると言う。

「シュート気味に二塁に投げています。シュートしてきた流れのままタッチにいきやすい。いまのところは、上からキレイな縦回転で投げようとは思っていないですね」

あえてスリークオーター気味に腕を下げることで、安定したシュートを生み出している。捕手は、オーバースローが一般的。春季キャンプでは、倉バッテリーコーチが「なんでそれで投げられるんや?」と首をかしげたと言う。大学時代に送球フォームを矯正しようと試みたこともあったが、「ダメでしたね」と“横手投げ”を貫いている。

「僕は横からしか投げられない。上からキレイな縦回転で投げようとすると、引っかけたときにカットしてしまう。それで三塁側に逸れたら最悪。それならシュートして、一塁側にズレた方がまだいいと思う。二塁到達タイムよりも、タッチしやすくアウトになることが大事なので」

他球団の練習を見ながら「○○さんはキレイに上からだけど、△△さんは結構横からですよ」とスラスラと答えるほどに、先輩捕手の投げ方を分析している。倉バッテリーコーチは、「スライダーするよりかは、シュートした方がいい」と認める。「石原(貴規)は大学時代からこの投げ方で刺してきて、プロに入ってもいいものを見せてくれた。直そうとは思わない。あとはプロで試合に出続ける中で、毎試合できるかどうか。石原の送球は長所であり武器」。“スリークオーターからのシュート”で首脳陣をうなずかせた。

最速145キロの元投手ゆえに身についた“変化球”

もう一人のシュートの使い手である三好は、プロ入り後に習得したと言う。「シュートの方が一塁は捕りやすいと思います。その逆のカットは急に変化するから、捕るのが難しい。プロに入って1年目か2年目には、シュートを投げるようになりました」。

九州国際大付では3年春の選抜でエースとして準優勝し、プロ入り後に内野手に転向した。縦回転の直球を追い求めてきた投手時代からは、真逆の発想とも言える。「外国人の送球とかを見ていると、スライダーとかに変化したときは取りにくそうだな……と。それならシュートした方がいいなと思いました」。観察から生まれた“変化球”だった。

19年途中に、楽天から広島にトレード移籍した。プロ8年間で通算144試合を守った遊撃での失策は6つで守備率.981。単純比較はできないものの、昨季、遊撃でリーグ2位だったDeNA・大和が同.981。1軍に定着する要因となったチーム随一の守備力は、シュートによって支えられている。

簡単に扱える“球種”ではない。山田内野守備・走塁コーチが証言する。「シュートを扱えるのはハイレベルな選手だけ。誰でもできるようなことではない。シュートを投げようとすると体が開くから本当は怖いけど、三好は元投手だしね。そういうときは、横から投げたり工夫していると思う」。同コーチいわく、強肩も一つの条件だ。最速145キロの元投手ゆえに身についた球種なのだろう。

一見、負の印象のある「シュート回転」も、意図的に曲げる場合は一級品に変わる。2人に共通していたのは、受け手を想定していること。思いやりの球種である。(河合洋介)

(※引用元 文春オンライン

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