2016年から3連覇と黄金時代を築いた広島が精彩を欠いている。シーズンの3分の1を終えた現時点で首位・巨人に大きく離されて下位に低迷。スポーツ紙デスクはこう分析する。
「ベンチワークの責任が大きい」
「戦力がいないわけではない。打線は西川龍馬、鈴木誠也という軸がいて今年は堂林翔太が再ブレークした。ベテランの松山竜平、長野久義も今年は状態がいい。ただ強かった時の試合巧者ぶりは見られない。ヒットを重ねても得点が入らない。弱点のリリーフ陣も未だ整備できず苦しんでいる。投手出身の佐々岡真司監督にはその部分を期待されていると思うのですが…ベンチワークの責任が大きいと思います」
苦戦の大きな要因は救援陣であることは間違いない。開幕時に守護神を務めた新外国人・スコットは6試合登板して防御率22.50と全く通用せずに登録抹消。通算115セーブと長年守護神を務めた中崎翔太が本来の状態とは程遠いため、菊池保則を代役で白羽の矢を立てたが痛打を浴びる試合が続いた。
セットアッパー左腕のフランスアを守護神に回したが、救援陣にしわ寄せがきている。6日のヤクルト戦(神宮)では5点差を追いついた直後の7回に薮田和樹が3点を奪われて今季初の同一カード3連勝はならなかった。
優勝争いから離脱なら「若返り」シフトも
気になるのは投手陣だけではない。黄金期を攻守で引っ張ってきた「タナキク」の状態が上がってこない。田中広輔が打率.233、3本塁打、0盗塁、菊池涼介は打率.237、4本塁打、1盗塁とふるわない。菊池は二塁守備の名手で幾度も好守でチームのピンチを救ってきたが、「以前より守備範囲が狭くなった。菊池も田中も30歳を越えて脚力が落ちるのは仕方がない。次世代の選手を育てないと」という声も聞こえる。
新型コロナウイルスの影響で120試合制の今季、セ・リーグはクライマックスシリーズが行われない。ペナントレースの優勝争いから脱落したチームは若返りを図る可能性が十分にある。
ファームには高卒ルーキーで昨年58試合出場した18年ドラフト1位・小園海斗、俊足巧打の18年ドラフト7位・羽月隆太郎ら将来を嘱望される若手が控えている。このまま低空飛行が続けば、実績十分の「タナキク」も決して安泰ではない。
(※引用元 J-CAST)