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最初の永久欠番、ミスター・赤ヘルを生んだのは『かっぱえびせん』?

2021年1月8日

最初の永久欠番、ミスター・赤ヘルを生んだのは『かっぱえびせん』?

初の日本シリーズ第8戦を終えて

2リーグ制となった1950年に異色の市民球団としてプロ野球に参加した広島。プロ野球の球団としては異色かつ画期的なことで、原子爆弾が投下されて荒廃した広島にあって、復興に向かって汗を流す人々にとっての希望にもなった。とはいえ、当初は資金難に苦しみ、市民からの募金によって選手の給料や遠征費を捻出したこともある。そんな苦境で戦力の補強も困難で、長く低迷を続ける。初優勝は75年。偶然か必然か、赤をチームカラーに採用したシーズンだった。選手たちは“赤ヘル”の異名を取り、“赤ヘル旋風”は80年代にかけての黄金時代を呼び込んでいく。

そんな広島で“ミスター・赤ヘル”と呼ばれた山本浩二(浩司)の「8」が広島で初めての永久欠番だ。75年を皮切りに、79年から80年のリーグ連覇に2年連続の日本一、84年のリーグ優勝に日本一、そして86年のリーグ優勝にも主砲として大きく貢献。その86年も27本塁打を放ったが、西武との日本シリーズを最後にバットを置いた。この間、本塁打王は4度、打点王は3度、首位打者は1度。それ以上に、18年にわたる現役生活で、すべてのシーズンで出場100試合を超えているところが、この男の凄味だ。これは同時に、“赤ヘル”の強さでもあった。

ただ、そんな山本も一貫して「8」を背負っていたわけではない。地元の出身で、法大からドラフト1位で69年に入団した期待の星だったが、最初に与えられたのは「27」だった。このとき、山本と同じ学年で、65年に入団していた衣笠祥雄が「28」を着けていて、のちに“YK砲”と呼ばれた両雄が「27」「28」で並んでいる。山本が「8」となったのはプロ3年目の71年。以降16年間を「8」で過ごし、プロ野球で初めての日本シリーズ第8戦が終わった86年10月27日、つまり山本が選手として最後の試合を終えたと同時に、永久欠番に制定された。

山本は89年から監督を務め、93年まで務めたが、このときは「88」。そして21世紀に入った2001年に監督として復帰すると、ふたたび「8」を背負って指揮を執った。その背中に黄金時代の再現が託されたが、05年いっぱいで退任。選手として16年、監督として5年、通算21年で「8」を背負った山本だが、その両者が出合うまでの21年間、「8」は5人の選手がリレーしている。広島“元年”の50年は外野手の荻本伊三武と投手の箱田義勝が「8」。荻本は46試合に出場して2本塁打を放ったが、翌51年の名簿には名前がない。この50年に「24」も着けた箱田は地元の出身で、翌51年には「23」でプレーしたが、一軍登板は50年の2試合のみだった。翌51年から、好打者たちの背中で「8」は大きなナンバーとなっていく。

偶然か、必然か

【広島】主な背番号8の選手
長持栄吉(1951~57)
大和田明(1958~67)
山内一弘(1968~70)
山本浩二(1971~86)

隣の山口県は下関が拠点としていた大洋(現在のDeNA)から51年に移籍してきた長持栄吉が「8」で外野のレギュラーとなり、その引退で後継者となったのが西鉄(現在の西武)から移籍してきた大和田明(明良)だ。59年に23本塁打、サイクル安打も達成してベストナインに選ばれた外野手だが、67年オフに南海(現在のソフトバンク)へ移籍した。

翌68年に阪神から広島へ移籍してきて「8」となった山内一弘は、本塁打王2度、打点王4度、首位打者1度というプロ17年目の強打者だ。広島が3チーム目で、その「8」を継承したというより、52年に毎日(現在のロッテ)でプロ入りして以来、一貫して「8」でプレーしてきた山内が広島でも背番号を変えなかったもの。結果的に、そんな山内のキャリアが広島の「8」に凄味を加える。すでに大ベテランとなっていた山内は移籍1年目こそ全試合に出場したものの、徐々に衰えを隠せなくなっていった。それでも、その姿勢や存在感は後輩たちに大きな影響を与える。もちろん、その後輩たちの中には山本がいた。

のちに指導者として、教え出したら「やめられない、とまらない」ことから、“かっぱえびせん”と呼ばれた山内。現在も人気のスナック菓子だが、かっぱえびせんを製造しているカルビーも、戦後の広島に誕生した会社だ。広島でコーチとして指導することはなかったが、現役の最後に大きな財産を残した山内。これも偶然か必然か。(文:犬企画マンホール、写真:BBM)

(※引用元 週刊ベースボール

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