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二軍監督・高信二が小園海斗にかけた言葉、「楽しんでやる意味」とは

2021年5月10日

二軍監督・高信二が小園海斗にかけた言葉、「楽しんでやる意味」とは

昨シーズンまで5年にわたって一軍ヘッドコーチを経験し、今季から二軍監督を務める高信二氏。2016〜18年のカープ3連覇を支えた高二軍監督は、現在のカープをどう見るのか? 前編では、4月に一軍昇格を果たした小園海斗や中村奨成をはじめ、ファームで奮闘する若手野手の現状について語ってもらった。

―― 選手時代も含めカープ在籍36年目のシーズンになります。現在のカープを見て、どのような時期に差しかかっていると感じていますか?

「2016年からカープは3連覇を果たし、昨年と一昨年はリーグ優勝を逃しました。その要因のひとつに、3連覇を支えたリリーフ陣に疲れが出てしまったところがあったのかなと。今年はドラフトで新人3人(栗林良吏、森浦大輔、大道温貴)が一軍で活躍してくれて、チーム防御率も昨年と比べて格段にいい(2020年の4.06から2021年は5月9日現在3.42)。現在は打線が噛み合わず点が取れない試合が続いていますが、羽月隆太郎や小園海斗といった機動力を使える若手も一軍で出場しているので、これから面白い野球が見せられるんじゃないかと期待しています」

―― 今、お話に出た小園選手ですが、4月22日の一軍昇格後は上々の結果を残しています。2月の二軍キャンプスタート以降、小園選手にはどんな言葉をかけましたか?

「昨年の秋季キャンプでの評価が今ひとつで、佐々岡(真司)監督も『もう一度、下からはい上がってこい』と。春季キャンプに入る前に彼を二軍の監督室に呼んで、私のほうからもハッキリと言いました。『野球の取り組み方からもう1回考え直していこう』『ガムシャラにやっていこう』と。そこからも数回、彼を叱咤激励しました。彼もそれに応えて、ファームでしっかり結果を出してくれた。だから、満を持して一軍の河田(雄祐)ヘッドコーチに『自信をもっておくり出せますよ』と伝えて、一軍昇格の形になりました」

―― 春季キャンプから一軍昇格まで約2ヵ月半。小園選手のどのあたりに変化を感じましたか?

「正直、気分が乗っていないように見える日がありました。キャンプの守備練習でエラーが多いと感じた時は私が自らノックを打つこともありましたし、ファームの開幕直前にも試合の序盤でエラーをして、その後の打席で精彩を欠く日があった。その時も『試合に出ている選手なんだからそういう姿勢を見せたらダメだ』ということを伝えました。そこからは気持ちの面でも吹っ切れたのか、積極的に取り組むようになりましたね」

―― 高校時代から定評があった小園選手の守備力。プロではどのような課題があったのでしょうか?

「技術レベルはプロ1年目から並ではなかった。だけどやっぱり気になったのは姿勢の部分。今年の初めに二人でこんな会話をしました。『僕はこれまで楽しんで野球をやってきたので』と彼が言うので、私も『大いに楽しんで結構だ。そこはわかる。ただ、プロは職業だから、成績も出していかないとご飯を食べていけない。笑顔でハツラツとプレーするのはもちろんいいことだけど、エラーや失敗をした後にヘラヘラしているのは楽しんでやる意味とは違うぞ』と。

そんななか、守備は1年目と比べたら確実によくなってきましたし、何より体ができてきたので、送球の強さも感じます。あとは一軍で経験を積んで、修羅場をたくさん経験してくれたらと思っています」

―― 次に中村奨成選手ですが、一軍に昇格したその日(4月16日)にプロ入り初安打を打ちました。昇格するタイミングも絶妙だったと感じるのですが。

「僕らが重視するのは二軍の数字(成績)よりもその内容ですよね。ボテボテのヒットやどん詰まりのポテンヒットと、自分のスイングができたけど、たまたま野手の正面をついた打球。そのどちらを評価するのかと言ったら後者です。一概に3割を打てているから一軍に推薦するという話ではなく、あくまで内容。中村奨成の場合もいい内容の打席が多かったので、一軍に推薦しました」

―― 一軍で結果が出ていない選手を我慢して使い続けるところと、二軍で調子のいい選手を引き上げるタイミング。その見極めの難しさがあると思うのですが、昨年まで一軍ヘッドを務めてきた経験からどのようなことを考えていますか?

「一軍の目的は何よりも試合に勝つこと。なので、調子が上がらない選手を使い続けるというのはやっぱり難しいところがあります。代わりになる選手がいなければ、また別なんでしょうけど、今年みたいに代わりとなるメンバーがどんどん二軍から輩出できる状況なら、より調子のいいメンバーを使うのが必要になってくると思います。その辺は佐々岡監督をはじめ河田ヘッドもよく考えて、決断していると思います」

―― その点では、羽月隆太郎選手の昇格も絶妙なタイミング(4月9日)でした。今季一軍でブレイクの兆しが見える彼ですが、昨年と今年でどのような変化があると感じますか?

「(今年は)体幹が強くなって、スイングが鋭くなりましたね。昨年は足の速さとバントのうまさが光っていましたが、今年になって盗塁のスタートの技術や、バッティングもツボに入ったら飛ばせる能力が身についてきました。2ストライクに追い込まれてもファールで粘って、フォアボールで出塁するしつこさも出ていますし、河田ヘッドにも『そういう面があるよ』と推薦しました。今年から(本職の内野だけでなく)外野の守備にもついていますが、二軍ですばらしいプレーがたくさん見られました。彼がいることで機動力も高まるので、カープらしい野球につながるんじゃないかと期待しています」

―― その一方でルーキーの矢野雅哉選手がファームに降格しました。彼の魅力、今後の課題などありましたら教えてください。

「彼は身体能力が高く、肩も強い。俊足を生かした守備範囲も広いので、今後が楽しみな選手です。春季キャンプ時点では『小園よりいいんじゃないか』という声が一軍の首脳陣から上がっていましたし、守備に関して言うことはありません。走塁については、スタートのタイミングとかを経験を積みながら成長させていければと」

―― 機動力という点では故障明けの宇草孔基選手の存在も気になります。

「宇草は昨年一軍で何試合かスタメンで使ったのですが、『さあここから』という時に足にデッドボールを食らって戦線離脱してしまった。走塁面であったり、効果的なヒットだったり、試合のなかでよさが出てくる選手だと感じています。彼も将来が楽しみな選手の一人ですね」

―― ファームには、林晃汰選手や木下元秀選手といった未来の大砲候補もいます。

「この二人に関しては左の大砲候補ということで、『こじんまりしないで強く振って遠くへ飛ばせ』と話しています。細かい部分は東出(輝裕)打撃コーチが教えていますが、彼らにはカープの由宇練習場の広さを気にせず、どんどんスタンドにぶち込んでほしいと考えています」

(※引用元 web Sportiva

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