今季も好成績を残している広島・鈴木誠也外野手だが、ここにきて来季のメジャー挑戦への機運が高まっている。走攻守三拍子揃った実力は、これまでも注目されてきたが、今月に入ってから複数の海外メディアが鈴木の動向を特集している。
米国で鈴木が評価されているポイントは何なのか。鈴木のこれまでの成績や海外での評価も交えて、改めて振り返っていきたい。
オリックス・ジョーンズも太鼓判「MLBで活躍できると思う」
高卒で広島に入団しプロ9年目を迎えた鈴木だが、23日時点で打率.320(リーグ1位)、38本塁打(同3位)、87打点(同4位)と、チームの主砲として文句なしの好成績を残している。打率3割、25本塁打、OPS.900超えは2016年から6年連続での達成となり、文字通りNPBを代表する打者としての地位を確立している。
FA権の取得まではまだ2年を残しているが、米メディアや関係者の間では今オフに鈴木がポスティングシステムを利用してメジャー挑戦を果たすのではという論調が強くなっている。
MLBの移籍情報に特化したメディア「MLB TRADE RUMORS」は22日(日本時間23日)、鈴木の特集を掲載。現地メディア「FanGraphs」や「The Athletic」での執筆経験も持つキム・ソンミン氏が「成績やビデオを見る限り、打撃はまったく問題ないはず。打撃だけでなく、走力や肩も優れたアスリートだ」と評価している点や、オリックスに在籍するアダム・ジョーンズ外野手が「正直言って、彼はMLBでも活躍できると思う」と賛辞を送っていることを紹介している。
「MLB TRADE RUMORS」は特集内で直近でMLBに挑戦した秋山翔吾や筒香嘉智が当初の期待通りの活躍は残せていないことを指摘。しかし、秋山を上回るパワーを持ち、筒香よりも三振率や守備面で優れている鈴木のMLB挑戦は「(秋山や筒香よりも)理にかなっている」と論じている。
また、もし鈴木がポスティングされれば「今オフの左翼手、右翼手の移籍市場において最も若く、興味をそそる選択肢となる」とも評価している。
高評価のワケは5ツールプレイヤーぶり
前述の通り、鈴木の株が高騰している理由は、打撃面だけでなく守備走塁も含めた5ツールプレイヤー(打率、パワー、走力、守備、肩)としての評価の高さだ。
安打製造機として鳴らした秋山や、本塁打が売りだった筒香のNPB最終年の成績と比較すると、鈴木は両選手が不足していた点もしっかりカバーしていることが見えてくる。
また、長距離砲としての顔を持ちながら、出塁率や三振と四球のバランス面でもより優秀な数値を残している。仮にMLB挑戦が実現すれば、米国の投手相手にアジャストしなければいけない点も多々あるだろうが、前段階として期待値が高まるのも納得かもしれない。
ポスティングの可否が明らかになる前から今オフの目玉として注目を浴びるという“異常事態”だが、鈴木の動向を巡る狂想曲は今後ますます盛り上がりそうだ。
(※引用元 SPREAD)