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誠也、坂倉…すごい打者の共通点は?打撃投手・久本祐一に聞いてみた

2021年11月14日

誠也、坂倉…すごい打者の共通点は?打撃投手・久本祐一に聞いてみた

今季5年ぶりに古巣カープにバッティングピッチャーとして復帰した、みんなの兄貴・久本祐一さん。久しぶりに帰ってきたカープがどのように変わっていたのか、今年のカープの雰囲気をバッティングピッチャーという役割を通して語っていただきました。

「帰ってきたらいいじゃないですか」

――お久しぶりです! 5年ぶりにカープのユニフォームを着ることになりましたが、久本さんからみてチームに何か変化はありましたか?

雰囲気は5年前と変わらずとても良い感じですね。知らない若手がたくさん増えましたが、春季キャンプで初めて林(晃汰)を見たときに、高卒3年目でこんなに遠くに飛ばす良いバッターがいたのかと驚きました。あと羽月(隆太郎)も素晴らしいですよね。あの脚力があって、あんなに粘れて、強いゴロを打てるバッターは相手投手からしたら相当嫌だと思います。僕も現役だったら対戦するのが一番嫌なタイプです。

――今年のカープは若手の活躍が目立ちましたもんね。

小園(海斗)の活躍も目を引くものがありました。ドラゴンズ時代も含め、これまで小園と同年代の選手をたくさん見てきましたが、金属から木のバットへの対応の仕方は抜きん出ていると思います。

――そうなのですか! 確かにあの黄金世代の中で、今年小園選手は素晴らしい活躍でしたもんね。シーズン中、よくコミュニケーションを取っていた選手はいますか?

若手のピッチャーとはよく話すことはありました。ケムナ(誠)とか。中継ぎの気持ちはよくわかるので、自分ができる範囲内で話させてもらったりしました。あとは菊池(涼介)とはドラゴンズ時代もよく話しかけてくれていましたが、帰ってきてからも相変わらず仲良くやっています。

――弟のように可愛がっていましたもんね。菊池選手に、カープ復帰の相談をしていたと聞きましたが、本当ですか?

そうですね、そういう気持ちがあるというのは最初に伝えました。「帰ってきたらいいじゃないですか」って言ってもらえたんですけど、「まぁこればかりは俺たちじゃ決められないことだけど」って(笑)。なので、実際に打診をいただいたときに改めて報告して、とても歓迎してもらえました。そういうのもあったので、やっぱり菊池の活躍は嬉しいですね。打つ方も良かったですが、5年前以上に凄みを感じる完璧な守備。打撃が多少悪くてもチームが勝つためにはいなくてはならない選手だと思います。

打撃投手から見たすごい打者の共通点は

――カープにいたときから知っていた選手の中で、変わったと感じたのは?

やはり(鈴木)誠也は4年間外から見てきて、とんでもない化け物になりました。持っている雰囲気が5年前とは比べ物にならないです。あと、坂倉(将吾)はちょうど入れ違いだったんですが、ドラゴンズにいた時もかなり良いバッターだとみんな認識していました。バッティングコントロールもさることながら、外の球を遠くに飛ばす力がすごい。まだまだ伸びていきそうですよね。今、三塁の練習もしていて、複数のポジションを守れる選手は国際大会において貴重な存在なので、代表入りも現実味が帯びてくると思います。

――今年は首位打者も視野に入っていましたもんね。

この2人はとにかく穴がないですね。ドラゴンズ時代に森(繁和)さんがミーティングでよく言っていたのですが、配球に困ったら遠く低くを徹底するようにと。そうすれば、シングルヒットはあってと、痛い目(長打)に合いにくい。それでもこの2人は外角低めを難なく打ってしまう。そのあたりは2人とも意識しているのが伝わってくるので、練習から外を強く打てるように、真ん中よりも外の球を投げようと心掛けていたりもします。

――バッティングピッチャー目線で見て、2人はどうですか?

2人とも言えるのが、詰まることを嫌うんですよね。もちろんバッターなら誰でも詰まることを嫌がると思いますが、誠也と坂倉なんかはたとえ詰まってでも外野の後ろ、又はスタンドに運ぶパワーがあります。しかし詰まって柵越えをしても良い表情はしていないんですよね。逆に悔しがっています。

――スタンドインしても悔しがる! 二塁打を打っても首を捻っていた前田智徳さんの遺伝子を感じますね……。強打者に共通する点などはあるんですか?

バッティングピッチャーに転身して5年目。これまでやってきて、すごい打者に共通して感じることがあります。それは「ピッチャー返しの打球が避けられない」ということです。単純にスイングスピードが速いということではありません。通常のスイングスピードは「バットに球が当たる瞬間の速度」で語られることが多いですが、ここで言うすごい打者とは「スイングの初速から球を撃ち抜くまでの速度が異常に速い」ということなのです。バットの初速が速いのでバットの出どころ、球との当たりどころを予測しづらく、ピッチャー返しが来ると避けることができないのです。カープだと誠也、菊池。この2人の打球は避けられません。

――バッティングピッチャーだからこそわかるお話ですね。バッティングスピードと一口に言っても色々あるのですね。鈴木誠也選手がどうなるかわかりませんが……最後に来季のカープについてどう見ていますか?

昔からカープを見ていて思うのは、4番が抜けると日本人の4番が必ずしっかり生まれるんですよね。まだまだ言い足りないほど素晴らしい若い選手がたくさんいます。今年きっかけを掴んだ若手たちが来年どうなるかも楽しみで仕方ないです。そして打者だけでなく、中継ぎも若手が着実に成長しています。来年はもっと強いカープになるのは間違いないので、ファンの人たちは楽しみにしていてください! 僕もバッティングピッチャーとしてカープのために頑張ります!

(※引用元 文春オンライン

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