絶対的守護神として圧倒的な存在感を示した栗林の陰に隠れてはいるが、中継ぎとして奮闘したもう1人のルーキーがいる。大卒ルーキーの森浦大輔だ。開幕から最後まで一軍で完走を果たした。チーム最多の54試合に登板し、3勝3敗、防御率3.17とリリーバーの中でも安定感を示した。
ホールド数は塹江に並んでチームトップタイの「17」をマーク。昨季まで球団新人の最多ホールド記録は2007年上野弘文(現一軍打撃投手)の「7」だったが、大幅に更新した。ときには勝ちパターンで、ときにはイニングまたぎ、ときにはワンポイントの登板で火消しをするなど、陰の立役者としてチームを支えた。
今秋のドラフトでは関学大・黒原拓未を1位、三菱重工West・森翔平を2位指名、さらに11月9日には最速156キロのニック・ターリー(ホワイトソックス傘下3A)を獲得と、来季は即戦力の左腕3人が加入する。ほかにもフランスア、塹江、高橋樹と中継ぎ陣のライバルは多い。それでも多くの試練を乗り越えた1年目の経験は、今後の糧となっただろう。
天理大時代は先発での活躍が光り、プロ入りへを決めた。秋季練習中は実戦登板せず、体力強化に努めている森浦について佐々岡監督は「先発しても面白いかなというのはある。それは春ね」と、来春の先発転向の可能性があることを示唆した。先発でも床田を筆頭に、高橋昂、玉村と後半戦で奮闘した左腕がそろっている。縁の下の力持ちとして1年目に光った左腕。2年目も目が離せない。(写真=BBM)
(※引用元 週刊ベースボール)