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栗林、ルーキー守護神が12球団トップの奪三振率を記録した要因とは

2022年1月2日

栗林、ルーキー守護神が12球団トップの奪三振率を記録した要因とは

ルーキー守護神、最大の特徴は高い奪三振能力

広島に新たな守護神が誕生した。ドラフト1位ルーキーの栗林良吏である。開幕から22試合連続無失点と鮮烈なデビューを飾ると、最終的に新人最多タイとなる37セーブをマーク。防御率0.86、セーブ成功率100%と抜群の安定感だった。なぜ、ここまでの好成績を残すことができたのか、投球内容をより詳しく探ってみたい。

栗林のピッチングにおける最大の特徴は、三振が極めて多いことだ。アウトの内訳を見ると、実に半分以上の55%が三振によるもの。平均的な投手はアウトの7割近くが味方の守備によるものだが、栗林はバックに頼らずとも多くのアウトを獲得していた。相手打者がなかなかボールを前に飛ばせないことは、僅差のリードを守り抜くクローザーとして、この上ない適性といえるだろう。

高い奪三振能力を支えたカギとして、カウント別の配球が挙げられる。まず0・1ストライクのときは、ストレートを中心に持ち球をバランスよく投げている。栗林は対戦した打者のうち66%を2ストライクに追い込んでいるが、これは投球回50以上の投手の中でトップの割合。球威のある直球に加え、相手に的を絞らせないことで有利な展開に持ち込んでいた。

そして2ストライクになると、極端にフォーク中心の配球となる。2ストライクで落ちる球の割合が増えるのは一般的とはいえ、50%を超える投手は12球団にも数えるほどしかいない。

奪三振率記録はNPBトップ

そんな2ストライクから投じられる決め球のフォークに対し、相手打者のバットは空を切った。高確率でフォークを投げることは相手も把握しているはずだが、それでもなおNPBトップの空振り率を記録。打者の想像を上回るキレや変化を見せていたと想像される。

三振を奪うためには相手打者から2ストライクを取ること、そこから仕留めることが必要となるが、栗林はそれをハイレベルに両立して奪三振を量産していた。

そうして栗林は12球団トップの奪三振率を記録した。この13.93という数字は歴代7位の快挙であり、三振を奪うスキルがいかに傑出していたかを示している。「2ストライクまで追い込み、そこから空振りを奪う」という、バッテリーが描く理想のプランを体現していた。

その活躍はシーズンだけにとどまらず、東京五輪では日本代表のクローザーとして君臨。大舞台のプレッシャーにも負けない強心臓ぶりで、金メダルの獲得に大きく貢献した。入団1年目にして“ジャパンの守護神”まで一気に駆け上がった栗林、来季は「2年目のジンクス」など吹き飛ばす活躍を見せてくれるに違いない。(太田健人)

(※引用元 SPAIA

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