体重110キロの巨漢ルーキー・末包昇大がレギュラー確保へ、突っ走っている。大きな体から放つ打球は力強く、とにかく飛ぶ。春季キャンプでロングティーをした際は本塁付近から日南・天福球場のバックスクリーンにぶち当てたこともあった。
キャンプでは紅白戦も含め、実戦8試合すべてで四番起用。佐々岡監督も「あの長打力は魅力」と語るほど、期待の大きさが見てとれる。
2月26日の巨人とのオープン戦(那覇)では左翼に特大2ランを放った。左翼フェンスを優に越え、防球ネット最上部に突き刺さる驚がくの一打。「打った瞬間に入ったと思った。すこしホッとした」。推定飛距離130メートルの放物線で本領を発揮。
さらにチームオープン戦1号、12球団新人1号のおまけ付きだ。
登録は外野手だが、一塁守備も練習中。プロ入り前に「ファーストミットも作っておいて」と球団から言われ、新調した。新外国人のマクブルームや坂倉が開幕一軍に間に合うかどうか不透明とあって、末包に正一塁手獲得のチャンスが巡ってきた。
「ファーストは高校(高松商高)1年生の1年間だけ。2年からはサードをやっていました」。およそ10年ぶりの一塁本格調整。レギュラー獲得へ、慣れない守備にも不平不満は漏らさない。
「シーズンに入るまで、とにかく練習して何とか形にしたい。今は言い方は悪いが、失敗してもいい時期だと思う」。
開幕戦は3月25日のDeNA戦。横浜スタジアムのスコアボードに『末包』の文字は並ぶのか。オープン戦でも猛アピールを続け、レギュラーの座を手中に収める。(写真=佐藤真一)
(※引用元 週刊ベースボール)