プロ野球の春季キャンプもまもなく後半戦に入り、現在は多くの球団が紅白戦や練習試合など実戦で選手のパフォーマンスを高め、シーズンへの見極めも行なっている。さらに今月24日からはオープン戦もスタートし、いよいよ今季の開幕を見据えチーム作りも最終段階へと入っていく。
昨季までの特長をさらに伸ばし、ウィークポイントを改善するなど、新シーズンへの土台を強固なものにしていくこの春季キャンプ。戦力向上へ向け各チームとも、特色を表しながら折り返しを迎えようとしているが、今季より新監督を迎え巻き返しを狙うある球団の現状に対し、複雑な思いを抱く球界OBの声が聞こえてきている。
「広島はイメージしていたキャンプと全然違った」
そう語るのは現役時代、大洋(現DeNAベイスターズ)で長く主力として活躍した高木豊氏だ。2月19日に自身のYouTubeチャンネル『TAKAGI YUTAKA BASEBALL CHANNEL』を更新、12球団のキャンプ前半を振り返っている中で、広島のここまでの練習内容などへの印象を述べている。
高木氏は、セ・リーグ球団について「巨人はよくバットを振ってるわ」「阪神は緻密に計算してやっているな」「選手が勝手に競争しているのがヤクルト」とそれぞれに前向きな言葉を述べるも、広島の話題に移ると一転して表情を歪めた。
高木氏は「監督が変わって、俺の期待してたのはもっとガツガツ、ガンガンやるのかなと思っていた」とハードな練習が行われるキャンプを予想していたとコメント。
さらに「広島と言えば12球団一、バットを振っているとか長い練習を行なうイメージがあるんだけど、そういう熱さが伝わってこない」と続け、他球団のキャンプ風景と比較し「特徴が無いんだよね」と強調した。
また、新井監督についても「新井は叩き上げで、2000本(安打)も打って、熱さがある男かなと思っていた」と自身が抱いていた新指揮官の人間像を説明しながら、より厳しい指導を想像していたとして「イメージが合わない」「もうちょっと厳しくやっていいから」と苦笑いを浮かべていた。
広島は昨季まで4シーズン連続でBクラスに沈んでいる。それ以前はリーグ3連覇を果たしていただけに、新体制となった今季、再浮上への期待も寄せられている。高木氏は「和気あいあいに見える部分もある。これが、どううまくいくか。それとも違う方向に行っちゃうか」と最後まで言葉を濁していた。
ここからはオープン戦を戦い、そしてシーズンの開幕も迫っている。指導者としての公式戦デビューが近づく新井新監督の手腕、そして表情にも注目していきたい。
(※引用元 CoCoKARA)