首位阪神をゲーム差なしで猛追する広島は、23日の中日戦(マツダ)も競り勝ち今季初7連勝。走力の重要性を説く新井貴浩監督(46)は、走塁ミスへの的確なフォローでナインの積極性をもり立てている。
勝負のポイントになったのは、開幕戦以来の1番で起用された小園海斗内野手(23)が初回に見せた好走塁だった。安打で出塁し、1死後の初球がワンバウンドするとすかさず二塁を陥れ、直後の左中間適時二塁打で先制のホームを踏んだ。
新井監督に「一瞬のスキを突いた。何かあればやってやろうというのが見える」と称えられ、本人も「ワンバウンド(で即スタートを切るの)は大事。それで1点をもぎ取れたので、これからもやりたい」と意気に感じる。
こうした好走塁と暴走は紙一重で、選手の意識が大きくものを言う。それををよく知る指揮官は、若い選手たちが失敗に萎縮しないように、さりげないフォローを怠らない。
前日22日の同カードでは、2点差に迫られた8回に1死一塁から代走の羽月隆太郎内野手(23)が盗塁死。
自分の仕事を果たせず落ち込んでいたが、一夜明けて球場入りすると指揮官の方から歩み寄ってきて、「走らせたのはこちらだし、気にするな。失敗を恐れずどんどん行け!」と励まされたのだった。
「救われました。また挑もうと思う」と羽月。こんな昨季まではなかった首脳陣の心遣いが、ミスも多い若鯉に勇気と勢いを与えている。(山戸英州)
(※引用元 夕刊フジ)