日本のプロ野球もいよいよ開幕。選手たちが躍動している姿が日々伝わってきている中、去就が注目されている選手もいる。ジャイアンツのスプリングキャンプに招待選手として参加していた筒香嘉智は3月下旬に自由契約となった。現在は日米全球団が移籍候補となっている。
2019年オフにポスティングシステムを利用してレイズに移籍。ただなかなか結果を残せず、2シーズン目途中に戦力外となると、21年のシーズン途中から加入したパイレーツでは43試合で打率・268、8本塁打、25打点と光が見えたものの、結果としてリリースされた。その後もブルージェイズ、レンジャーズとマイナー契約を結ぶなどメジャー復帰のチャンスをうかがってきたが、厳しい局面にぶつかっている。
そして注目されているのは日本球界の反応もある。昨オフもNPB球団からオファーがあったことを認めていたが、あくまでメジャー挑戦の固い意思をこれまでは貫いてきた中、今回、ジャイアンツを自由契約となった際には古巣、DeNAベイスターズのフロントの発言が注目された。
メジャー挑戦する際にも快く送り出しており、関係性も良好。筒香がジャイアンツをリリースされた際にスポーツ紙の要請に応える形で球団の萩原龍大チーム統括本部長は「彼がNPBに戻ると決めた時には、あらためて我々の意思を伝え、コミュニケ―ションを取りたいと考えております」と声明を発表、獲得意思を示したのだ。1998年以来、悲願の優勝を目指すチームにおいても左の大砲の復帰は心強い材料となる。
また、かつて侍ジャパンの4番を務め、本塁打王に輝くなど、打撃の破壊力は認められる好打者とあって、古巣以外の複数球団が熱視線を向ける可能性もありそうだ。
打線形成に苦しむといえば、開幕3連戦を1勝2敗と負け越しスタートとなった広島もあげられる。昨オフには主力の西川龍馬がFAでオリックスに移籍。さらにチームに痛手となったのは攻撃の軸として期待された2人の新助っ人が早くも離脱する緊急事態に陥っていることにもある。
開幕戦を「6番・三塁」で先発出場したマット・レイノルズは左肩痛、同じく開幕戦を「8番・一塁」で先発出場したジェイク・シャイナーも右手中指剥離骨折で離脱と期待していた戦力が早々とあてが外れる結果に。
チームの非常事態に加え、左の大砲は手薄とあって、補強ポイントと合致しそうだ。
ほかにも開幕戦を2勝1敗と幸先の良いスタートを切った巨人では阿部慎之助新監督との関係性も注目される。筒香がDeNAに在籍時代、左の強打者として憧れ、阿部新監督を手本にしてきたことは知られている。試合前練習ではチームは違えども、打撃論などで交流を深めてきたとあって、指揮官の判断が注目を集めそうだ。
メジャーでは結果を残せなかったが、日米通算205本塁打の実績は大きい。アマチュア球界に対しても独自の視点からたびたび提言を行い、自身で球場を建設するなど高い視座を持って野球振興を進めていることも評価されている。
今季は33歳シーズン、円熟味を増すプレーが再び日本で見られるか。今後も注目の存在となりそうだ。
(※引用元 CoCoKARA)