カープに鯉

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丸よ、巨人に行くなら行くがいい…それでもカープは強いままだから!

2018年11月6日

丸よ、巨人に行くなら行くがいい…それでもカープは強いままだから!

脂の乗り切った生え抜きが出ていってしまうかもしれない。だが、このチームに、右往左往する様子は見られない。人が替わっても強いチームを作るための「論理」が、しっかりと確立されているからだ。

断トツの出塁率

プロ野球のレギュラーシーズンも、各球団あと数試合を残すのみだが、セ・リーグは今季も「広島カープ独走」の一年だった。

4月24日に単独首位に立つと、そのまま他球団をいっさい寄せつけず、一度たりとも2位に転落することなく9月を迎えた。まさに「一人勝ち」の状態でクライマックス・シリーズに臨もうとしている。

カープOBで野球評論家の大野豊氏が言う。

「2年連続でリーグ優勝を経験して、選手たちの成長と自信を感じたシーズンでした。昨季15勝した薮田和樹が不振で長期離脱するなど、投手陣は決して万全とは言えない状態です。それでも、チャンスに強い打線の得点力で見事にカバーできた」

だが、ここまで圧倒的に強いからこそ、先々のことが心配になってくる。カープファンたちが気をもんでいるのは、シーズン中にFA権を取得した不動の3番打者・丸佳浩(29歳)の去就だ。

田中広輔、菊池涼介そして丸の1、2、3番トリオ、いわゆる「タナキクマル」はこれまでも連覇の中心を担ってきたカープ打線の核だが、とりわけ今季の丸の「覚醒」ぶりは凄まじかった。

ここまでの成績は打率・327、本塁打36本、88打点(9月18日現在・以下同)。キャリア初となる3割30本100打点が視野に入っているのもさることながら、何より驚異的なのが、出塁率・488という両リーグでも断トツの数字だ。

丸の入団当初に指導していたカープ元二軍監督の山崎隆造氏が言う。

「彼は毎年技術的な進化を続けています。たとえば、入団してきたばかりの頃は引っ張り専門で、アウトコースのボールは当てるだけのバッティングしかできず、落ちる球にもめっぽう弱かった。

それを克服して一軍に定着したと思ったら、今度は反対方向にも打てるようになってきた。

普通、バッターは気持ちの良い打球を打ちたいから、詰まらされることをすごく嫌います。でも、彼の場合は、去年あたりから詰まることを怖がらず、ボールを限界まで身体の近くに呼び込んで反対方向に打球を飛ばせるようになったんです。

さらに、ボールをゆったり『待てる』ことで選球眼も向上しフォアボールが増えて、この出塁率につながっている」

丸の出塁によって相手投手に焦りが生まれ、次の4番・鈴木誠也もヒットを打ちやすくなる。丸の打線への貢献度は傑出しており、2年連続のセ・リーグMVP受賞も、確実視されている状況だ。

巨人なら4億は出す

しかし、これほど実力のある選手がFA権を取得すれば、他球団が放っておくはずもない。なかでも、丸に対して熱い眼差しを向けているのが、3位争いを余儀なくされている巨人だ。

「今季の巨人が勝てない最大の理由は、外野のメンバーを固定できなかったことにある。安定して試合に出続けられているのは長野久義くらい。

移籍組のゲレーロと陽岱鋼は期待通りの成績をあげられず、ベテランの亀井善行と3年目の重信慎之介は決め手に欠ける。彼らを交代で使う苦しい起用が続いています。

ここに30歳と脂が乗り切り、成績が伸び続けている丸を獲得できれば打線の破壊力が一気に違ってくる。是が非でもほしい選手です。

しかも、丸は千葉県勝浦市の生まれで、高校も地元の千葉経済大附属に進んでおり、夫人も千葉の出身。巨人側も関東への移籍に抵抗はないと踏んでいる」(スポーツ紙巨人担当記者)

義理堅い性格の丸は、広島県が大きな被害にあった今夏の西日本豪雨の際にも、赤十字に1000万円を寄付している。自分を育ててくれた球団と、広島ファンへの愛着は人一倍だろう。

しかし、あの巨人から莫大な年俸を提示され、「三顧の礼」を尽くして交渉されれば、どんな選手であっても心は揺らぐものではないか。

カープのフロントも、当然強い危機感を持っている。

「最大限引き留めないといけない」

8月17日、丸がFA権の資格取得条件を満たしたその日に、松田元オーナーははっきりとこう語り、球団として最大限の「誠意」を以て交渉に臨む構えを見せている。

「とはいえ、あの巨人が本気のマネーゲームを展開してきたら、広島に勝ち目はない。今季の丸の年俸は推定2億1000万円ですが、巨人なら4億円の複数年契約くらいは提示してもおかしくない。

オーナーも『取られたときのことも視野に入れて準備を進めておけ』という指示を出しているといいます」(スポーツ紙広島担当記者)

思い返せば、’93年にFA制度が創設されてからの日々は、カープにとって手塩にかけて育てた選手たちを次々と奪われる「悲劇の歴史」だった。

江藤智(’99年オフ・巨人へ)、金本知憲(’02年・阪神)、新井貴浩(’07年・阪神)、大竹寛(’13年・巨人)、そして、メジャーへと去っていった黒田博樹(’07年・ドジャース)……。

戦力にぽっかりと穴が空いてしまっても、親会社の強力なバックアップがある巨人や阪神のように、湯水のごとくカネをつぎ込んですぐに補強する余裕はない。

代わりに俺がやってやる

こうしてカープはチームの核を次々と失い、Bクラス暮らしの日々が長らく続いた。

だが、FA権行使によって主力選手が離脱する怖さを痛感したことが、カープに「育て続けなければ勝てない」という危機感を植え付けた。まるでパズルのピースをひとつひとつはめていくような緻密な「新人獲得戦略」もその一例だ。

「カープには、各選手を年齢・ポジション別に一覧にした『選手早見表』というものがあります。これを見れば、弱点となるポジションや、欲しい選手のタイプがひと目で分かる。

『何年後にどのポジションが手薄になる』ということがわかるので、穴を埋めるために新人を採って計画的に育成することが可能になっています。そうすることで年齢のバランスがとれ、選手たちもポジションがかぶって腐ることがない」(前出・広島担当記者)

昨オフ、早稲田実業の清宮幸太郎(現日本ハム)が指名希望球団との「面談」を宣言した時、カープは12球団で唯一、面会のアポイントメントさえ入れなかった。

これも、チーム事情を勘案した上で、「長距離砲の清宮は、今のチームに必要ない」という判断を下したがゆえの決断だろう。

FA権は、出場登録数によって権利を取得できるものであり、どれくらいの時期にどの選手が獲得するかは球団側も当然シミュレーションをしている。それを踏まえて「ポスト丸」の育成も着々と進められている。

今シーズンの前半、カープが単独首位に躍り出た直後の4月28日に行われた阪神戦で、センターの守備についていた丸がフラフラと上がった打球をダイビングキャッチし、間一髪でアウトにするという場面があった。

ハッスルプレーに球場は大いに沸いたが、このプレーで右足を負傷、戦線離脱を余儀なくされた。

だが、4年目の野間峻祥が代わりに台頭して活躍、丸のいなくなった穴を見事に埋めたうえに、復帰後もレフトのレギュラーとして定着した。結局、野間は100安打の大台を突破する大ブレイクを見せている。

「同様に、4番の鈴木誠也が抜けたときも松山竜平が代わりに活躍しましたよね。普通、不動の3、4番が抜けたらあっという間に点が取れなくなるものですが、『丸が、鈴木がいないから勝てない』という声はほとんど聞かれなかった。

彼らがいなくても、『代わりに俺がやってやる』という意気込みを見せつけられる若手が揃っているのがカープの育成がうまくいっている何よりの証拠でしょう」(前出・大野氏)

主力を欠くことのダメージの大きさは、選手たちが一番よくわかっている。だが、カープの選手たちは、それを負ける「言い訳」にはしない。「何度も試練を乗り越えて強くなってきた」という意地が、彼らを支えている。

そして、その「意地」を誰よりも深く胸に刻んでいるのは他でもない、緒方孝市監督、その人だ。

現役時代の緒方監督とチームメイトで、カープの一軍投手コーチも務めた山内泰幸氏が言う。

「緒方さんは強くなってからもずっと『新しい選手を見つけたい。常に誰か出てきてくれないとダメなんだ』と繰り返し発言してきました。

一時期、田中の調子が悪かった時に躊躇なく打順を下げ、代わりに野間を1番にすえたことがありました。

その時にはっきり言っていたのは『タナキクマル?メディアの人たちが言っているだけだろ。俺はその並びにこだわりはまったくない』と。選手たちの競争心を煽り、チームを絶えず作り変えていく腹積もりなのでしょう。

低迷期に現役時代を過ごし歯がゆい思いを経験したからこそ、緒方監督は『育てて勝つ』という意識が人一倍強いのです」

カープのオーナー室と、若手が暮らす大野寮には、球団の方針を記した額が掲げられている。

〈愚直に強く、前向きに〉

カネにモノを言わせてむやみやたらと「完成品」を奪ってくるのではなく、新たな選手が必要になる時期を見極め、その時に向けて二重三重に準備しておく。

カープの「常勝の論理」は、チームが強くなって人気が高まり、球団の収入が増えたいまでも決してブレることはない。

「もちろん、丸は素晴らしいバッターなので、これからもカープでやっていってほしいなと思います。でも、丸に限らず、この先もFAを取得する選手はどんどんと出てくる。

その時期に備えて、穴を埋められる選手を育てていかないといけない。それを一番骨身にしみてわかっているのがカープというチームなのでしょう」(前出・大野氏)

丸よ、君がいなくなると寂しい。けれど、選手として旬を迎えたいま、新天地で実力を試したい気持ちも痛いほどよくわかる。出ていくなら、出ていくがいい。俺たちは残った人間でやっていく――。

苦しい経験から生み出された「常勝の論理」が、広島カープを支えている。

(※引用元 週刊現代

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