リーグ4連覇どころか、目を覆うばかりの自壊ぶりの広島。緒方孝市監督(50)の去就問題が浮上してきたのは当然だろう。松田元オーナーは「もっと苦労してもらわないと困る」と来季続投を示唆。だが、チーム再建には内閣改造、新井貴浩氏(42)の入閣が必要不可欠だ。
就任1年目こそBクラスの4位だったが、昨季までリーグ3連覇を果たした緒方監督。広島では、「耐えて勝つ」を座右の銘にリーグ優勝4回、日本一3回の常勝赤ヘル軍団を築き上げた古葉竹識監督に次ぐ実績をあげている。
ただし一点豪華主義の内閣改造は欠かせない。リーグ3連覇した昨季と今季、コーチ陣の手直しは1、2軍の入れ替え人事が2件だけ。佐々岡2軍投手コーチが1軍、代わって畝投手コーチは2軍担当に。もう一つ、玉木1軍内野守備・走塁コーチと山田2軍内野守備・走塁コーチを入れ替えただけだ。
広島OBに限らず、球界OBたちはこう明言する。
「広島が自爆したのは、ナインの信頼厚かったチームリーダー・新井の現役引退と、攻守の要だった“3番・センター”丸の巨人へのFA移籍に尽きる」と。
今さら丸を呼び戻すことは不可能だから、打てる効果的な手は、昨季までナインを引っ張ってきたチームリーダーだった新井氏を、来季コーチとして招へいするしかないだろう。
将来の監督候補の1人でもある新井氏にとっても、中間管理職のコーチとして帝王学を学ぶことは欠かせない。一石二鳥のコーチ就任になるだろう。(江尻良文)
(※引用元 夕刊フジ)