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巨人が独走ムード、他5球団の監督はなぜ『包囲網』を敷かないのか?

2020年7月28日

巨人が独走ムード、他5球団の監督はなぜ『包囲網』を敷かないのか?

新型コロナウイルスの影響で120試合制に縮小された今季、各球団は4分の1である30試合を消化した。パ・リーグは首位・ソフトバンクから4位・ロッテまで2ゲーム差、最下位・日本ハムまで4.5ゲーム差と混戦模様だが、セ・リーグは巨人が2位・ヤクルトに3.5ゲーム差をつけ首位を快走している。最下位・中日には既に9ゲーム差をつけており、このまま独走してしまう可能性もある(記録は7月26日現在。以下同)。野球担当記者が話す。

「巨人は開幕直後に楽天からウィーラーを獲得するなど補強に余念がない上に、原辰徳監督の起用が見事に決まっている印象です。亀井善行や中島宏之らベテラン、吉川尚輝や北村拓己ら若手、パーラやウィーラーら外国人選手を、それぞれ優遇しすぎることもなく、適材適所で起用している。

レギュラーは坂本勇人、丸佳浩、岡本和真だけ。その坂本や丸も調子が悪ければ、バントのサインが出るし、スタメンを外れる日もある。毎試合のように、ベンチ入り選手の大半を使いますから、選手は常に高い緊張感で試合に臨める。原監督の起用法がチームを活性化させています」(以下同)

在任14年目を迎えた原監督は通算1000勝を超え、今季中にV9を達成した川上哲治監督の1066勝を抜いて巨人史上1位になることは確実だ。振り返れば、43歳で就任した2002年からの第一次政権時、他球団の指揮官は阪神・星野仙一監督やヤクルト・若松勉監督など、年上ばかりだった。2006年からの第二次政権時には、中日・落合博満監督、阪神・岡田彰布監督という少し年上の監督の在任中であり、この3チームが優勝を争っていた。

「岡田監督は7回から9回までを1イニングずつジェフ・ウイリアムス、藤川球児、久保田智之という強力なリリーフ投手(通称・JFK)に任せるパターンを生み出し、今ではどの球団もこの“勝ちパターン”の起用法を取り入れています。落合監督は2007年のクライマックスシリーズ(以下、CS)で大方の予想に反して左の小笠原慎之介を先発させ、左打者を並べた巨人打線を手玉に取った。渡辺恒雄会長も、落合監督の手腕に白旗を上げていたほど。2人とも、原監督に引けを取らないどころか、確実に自分の方が上だという自負があったでしょう」

“永遠の若大将”と言われる原監督も今では62歳、西武の辻発彦監督と並んで球界最年長指揮官だ(今年終了時点の満年齢。以下同)。今季のセ・リーグ監督を年齢順に並べると、中日・与田剛監督55歳、広島・佐々岡真司監督53歳、阪神・矢野燿大監督、ヤクルト・高津臣吾監督52歳、DeNA・ラミレス監督46歳。全て原監督よりも年下であり、監督歴はラミレス監督が5年目、それ以外の4人は2年目以下となる。

「監督としての経験値で見れば、原監督は他の5球団の監督と比べて圧倒的です。その上に、巨人は戦力的にも揃っている。しかし、他の5球団が巨人に対して特別な作戦を仕掛けるわけでもなく、必死さが見られない。例えば、ローテーションを崩してエースをぶつけるわけでもないし、奇策を打つわけでもない。単に型通りにぶつかり、戦力通りに負けているという印象です。いわば、前頭が横綱に正攻法で勝負を挑んでしまっている。

今の巨人に他球団と同じ戦い方をしても、勝てるとは思えません。今年はCSもないわけですし、他球団の監督が束になって、『巨人包囲網』を仕掛けないと独走を許してしまいかねません。1980年代から1990年代にかけて、パ・リーグは西武が黄金時代を築いていた。その頃、近鉄の仰木彬監督は『西武包囲網』を他球団に呼びかけ、徹底的にエースをぶつけていた。あのくらい一致団結しないと、巨人を倒せないのではないでしょうか」

現役時代のキャリアを振り返ると、原監督は1981年に巨人に入団し、1995年まで現役を続けた。与田監督、佐々岡監督は1990年、矢野監督、高津監督は1991年にプロ入りしており、当時の巨人の4番は原監督だった。ラミレス監督に至っては、2008年から4年間原監督の元でプレーをしている。

「現在のセ・リーグ監督にとって、原辰徳監督は子供の頃に憧れたスター選手だったかもしれません。しかし、同じ監督という立場で勝負している以上、そんなことは関係ない。かつて、ヤクルトの野村克也監督が球界の至宝である巨人の長嶋茂雄監督を徹底的に口撃して揺さぶったように、もっとグラウンド外の心理戦も仕掛けるべき。

当時は、マスコミでさえ長嶋批判はタブーな面がありましたから、ヤクルトの選手たちは『ウチの監督は誰も言えないことを口にできる』と精神面で優位に立てた。もし今年、巨人が独走で優勝したら、他球団のオーナーは原監督に物怖じしない大物を招聘すべきです。そうしなければ、セ・リーグは巨人の天下が続きますよ」

1990年代、巨人が大型補強を繰り返す中、ヤクルトの野村克也監督は『弱者の兵法』を説き、チームを優勝に導いた。野村監督の教え子である与田、矢野、高津の3監督は今こそ、恩師の戦略を思い返す必要がありそうだ。

(※引用元 NEWSポストセブン

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