ロッテが敵地で首位・ソフトバンクに3連勝。0・5ゲーム差と猛追し、逆転リーグ優勝が現実味を帯びてきている。井口資仁監督(45)が日本人メジャーリーガー指揮官第1号として初の偉業を達成すれば、広島の次期監督候補として黒田博樹氏(45)に波及効果は必至だろう。
メジャー経験者の監督就任が最も期待されていたのは、ビッグ2の松井秀喜、イチロー両氏。だが重い腰を上げず、現役引退後もそれぞれヤンキース、マリナーズ関連のポストに就いている。
そんななかで、ロッテ・井口監督という意表を突いた「第1号」が誕生して2年目。3年ぶりV奪回のノルマを課されている大本命、「12球団一の戦力」と他球団がうらやむ工藤ソフトバンクを大いに苦しめている。ロッテの前回2005年の優勝は、バレンタイン監督がレギュラーシーズン勝率2位で、プレーオフを制した当時の変則ルールによるもの。今季、堂々たる逆転Vを演じればどうなるか。
“井口効果”が広島に波及するのは当然の成り行きだろう。メジャー球団から好条件でオファーがありながら、「野球人生最後はお世話になった広島を優勝させたい」と古巣復帰。有言実行で優勝させ現役引退した男気・黒田氏に、監督としての熱烈復帰コールがナイン、ファンから渦巻いているからだ。
しかも今季就任の佐々岡監督は、松田オーナーから「V奪回」指令を出され、「もちろんやるからにはV奪回しかありません」と公約しながら空手形。ヤクルト・高津新監督と最下位争いを演じている体たらくだ。高津監督も日本人メジャー投手の第1号監督だが、戦力を比べれば広島とは同列に語れない。黒田次期監督の待望論は、同学年のロッテ指揮官の大健闘でさらに燃え上がる。 (江尻良文)
(※引用元 夕刊フジ)